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シリーズ 共に生きる【38】(令和6年4月1日号)

 令和3年、高校在学中に学生団体を立ち上げ、LGBTQ(性的少数者)の理解促進に取り組む安武優希さんに話を聞きました。

誰もが自分を表現できる社会に

安武優希さん
学生団体「Over the Rainbow(オーバー・ザ・レインボー)」で広報を担う。高校生の頃、自主映画「明日、晴れますか」の制作にも携わり、大学生になった現在も啓発活動に取り組む。

いないんじゃなくて、言えないだけ

 高校生のとき、九州各地や海外に住む大学生とオンラインで交流する「未来創造キャンプ」に参加しました。LGBTQについて話し合う場で積極的に発言している他の参加者と比べて、いかに自分に知識がないかを痛感しました。知らないがゆえに、無意識に誰かを傷つける言動をしていたかもしれない、と怖くなったのを覚えています。それまで「当事者に出会ったことがない」、「私の周りにはいない」と思い込んでいました。でもいないんじゃなくて、周りに言えないだけなんじゃないかと気付いたんです。 

特別ではなく、これからも仲間

 「未来創造キャンプ」参加者の呼び掛けで、LGBTQへの理解促進を図る学生団体「Over the Rainbow」を作りました。冊子で啓発しようという案が浮かびましたが、それでは興味がある人にしか届かない。映画なら見た人がそれぞれ自由な受け取り方ができると考え、約40分の作品を作りました。今も講演会などで上映され、LGBTQへの理解促進につながっていると感じています。

 活動を始めた頃、当事者だと打ち明けてくれたメンバーがいました。その人が私と何か違うわけでもないし、付き合い方が変わるわけでもないのに、うまく返せなかったんです。私が持っていたのはうわべだけの知識だったと気付きました。

 それから活動しながら学んでいくうちに、LGBTQは特別じゃない。「こうなりたい」という意思を持っていることがかっこいいと思えるようになりました。

いろいろな人がいるという視点を持つ

 私は「いつから異性を愛するようになったの?」と聞かれたことはありません。「いつから同性愛者になったの?」。これは、同性愛者の人によく向けられる質問です。悪意がなくても、知識や出会いがないために相手を傷つけているかもしれません。
 差別や偏見は無知から生まれます。だからこそ、まずは知ってほしい。いろいろな性のあり方があるという視点を持つことで、皆が生きやすい社会になるのではないでしょうか。

【問い合わせ先】人権・同和対策課(電話番号0942-30-9045、FAX番号0942-30-9703)

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