トップ > 広報久留米 > 新型コロナ感染拡大で救急医療がひっ迫

救急車の中で医療処置をするドクターカー(令和5年3月1日号)

救える命を増やす

令和3年中の久留米広域消防本部の救急搬送時間は、全国2位の早さです。高度な医療提供や迅速に搬送する環境が、生存率の向上や後遺症の軽減につながっています。

柴秀俊さん
久留米広域消防本部救急防災課・消防司令補。令和3年4月から救急ワークステーション指導救命士として、ドクターカーに乗務

久留米市と久留米広域消防本部、久留米大学病院、聖マリア病院は協定を結び、救急車に医師が同乗する「ドクターカー」を運行しています。久留米広域消防本部の救急救命士として、ドクターカーに乗務する柴秀俊さんに救急の最前線について話を聞きました。

生存率も全国トップレベル

119番通報を受けて救急車が出動し、医療機関に引き継ぐまでの時間を救急搬送時間といいます。この時間が短いほど、早く医療機関で治療を受けられ、救える命が増えます。生存率の向上だけでなく、後遺症の軽減にもつながります。いかに迅速に適切な医療につなげるかが、救急に携わる私たちの使命だと思っています。  救急救命士は、現場で家族の同意があれば、医師からの指示を受けながら、気管挿管などによる気道確保や輸液、アドレナリンやブドウ糖溶液の投与など、救命処置を行います。  ドクターカーは、心肺機能停止やショック状態、脳卒中など、より速やかな医療処置を必要とする重症傷病者が発生した場合に出動します。救急車に装備されている資機材以外に、医師と看護師が緊急薬剤や救命処置資機材、ポータブルエコーなどを持って同乗。救急車の中で医療処置を行います。ドクターカーの出動がない時は、通常の救急搬送の対応も。  令和3年中の久留米広域消防本部が搬送した人の生存率は、32.5%です。全国平均の11.1%を大きく上回っています。全国2位の早さを誇る救急搬送時間だけでなく、生存率も全国トップレベルなのは、ドクターカーの存在も大きいと思います。

患者の思いに応えるために

救急の現場は、言葉にできないようなプレッシャーを感じることがあります。日々の実践を重ね、より高度な技術を習得し続けなければいけません。病院内にある久留米広域消防本部救急ワークステーションに常駐し、救急搬送された傷病者が、病院でどのように処置されているのか観察したり、研修を受けたりもしています。  医療現場の理解を深め、救急隊員から医療機関への引き継ぎをいかにスムーズに行うかなどを学んでいます。ドクターカーに同乗した医師や看護師から、現場対応での課題などを聞き取り、他の救急隊員に指導も行っています。  1人でも多くの傷病者や家族の思いに応え、救える命を確実に救えるように、これからもスキルアップを図り、全力であらゆる救急現場に立ち向かっていきます。

【問い合わせ先】久留米広域消防本部救急防災課(電話番号0942-38-5158、FAX番号0942-38-5172)

令和4年消防統計 救急出動件数は過去最多

久留米広域消防本部が管轄する久留米市、大川市、小郡市、うきは市、大刀洗町、大木町の令和4年の消防統計が発表されました。  火災件数は、141件で、前年から20件増加。火災による死者は5人で、前年の8人より減少しました。亡くなった5人のうち、3人は衣服などに火がつく「着衣着火」で、たき火や調理中の火が原因です。  救急車の出動件数は、2万3525件で、前年から13・1%増加しました。救急搬送者は2万1507人で、11・5%増加。出動件数・搬送人員ともに過去最多となりました。高齢化の進展や新型コロナウイルスによる発熱者の増加が主な要因です。傷病程度別では、重症以上12・5%、中等症41・6%、軽症46%。  久留米広域消防本部は、「出動できる救急車が不足すると、救える命が救えなくなることもある。救急車を呼ぶか迷ったときは、救急医療電話相談『#7119』に電話をしてほしい」と、救急車の適正利用を呼びかけました。

こんな時は迷わず119番

突然の激しい頭痛
支えなしで立てないくらい急にふらつく
顔半分が動きにくい・しびれる
ろれつがまわりにくく、うまく話せない
胸・背中
突然の激痛
急な息切れ・呼吸困難
突然の激しい腹痛
血を吐く
真っ黒い便が出る
手・足
突然のしびれ
突然、片側の腕や足に力が入らなくなる

救急車を呼ぶか迷ったら

救急医療電話相談
#7119
小児救急医療電話相談
#8000

▲このページの先頭へ