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長く元気に生活するためのフレイル予防(令和4年8月1日号)

人とつながって楽しく健康に

 高齢者が元気に暮らし続けるために「フレイル予防」が大切です。栄養・口腔ケア、運動、社会参加が予防の3本柱といわれています。社会参加の大切さについて、久留米大学の小路純央さんに話を聞きました。

他者との関わりが予防に

 フレイルとは、年齢を重ねることで心と体の活力が低下した虚弱状態をいいます。健康な状態から要介護状態になるまでの中間の段階ともいわれ、この時期に適切に対処すれば健康な状態に戻すことも可能です。予防するために、運動をまず思い浮かべる人が多いと思いますが、特に大事なのは社会とのつながりです。
 コロナ禍で、私たちは外出自粛を余儀なくされました。緊急事態宣言解除後に行われた高齢者の身体活動量の回復状況調査で、1人暮らしでも活動的な人は、ほぼ以前の生活に戻っていました。対照的に、活動的でない人は、さらに外出をしなくなったなど回復が図られなかったとの結果が出ています。他者と関わることで、人は自然と体や頭を使うことが増えます。身体的衰えの進行予防にもつながるので、社会参加が大切なんです。

興味のあることを見つける

 運動は継続が大事ですが、1人では難しいですよね。誰かと一緒だと、会話が生まれ、続けるきっかけにもなります。社会参加とは他者と関わること。人によってさまざまな関わり方があります。運動だけでなく、ボランティアや趣味の集まり、生涯現役として働くことでもいい。自分が興味があることに目を向け、つながることで、他人からの刺激も受けられ、時には誰かから励まされることもあります。加えて褒められたり、役割が与えられたりすると、それが重要な動機付けになって、楽しみや生きがいが生まれます。

周りが結ぶ、つながり

 つながりが大事といっても、無理やり作っても続きません。その人にあった活動であることが大事です。閉じこもりがちな人に参加を促しても、なかなか参加には結びつかないといった話をよく聞きます。人によって価値観は違うので、無理強いすることは逆効果です。周りの人が、その人にとって何が喜びや楽しみかを一緒に見つけてあげて、関わりに結び付けることが大事です。そのためには、日頃から家族や地域で、互いに声を掛け合う関係が大切。つながることで、誰もが楽しく健康に過ごす一歩になると思います。

【問い合わせ先】長寿支援課(電話番号0942-30-9207、FAX番号0942-36-6845)

集まって活動が生きがいに

安武百祥会 会長 橋本政芳さん

 「安武百祥会」で仲間と生ごみを利用して野菜や花を作っています。みんな農業経験はなかったのですが、荒れ地になった場所を有志5人で、畑を改良し、花を植えるところから始めました。続けるのは正直大変です。私自身、大病を患って入院しましたし、年を重ねると体力もなくなるので、作業がキツイと感じるときも。それでも、みんなと集まって作業するのは楽しくて続けています。集まりは私の生きがいなんです。私には100歳までメンバーと活動したいという夢があります。そのためにも健康に気を付けながら活動を続けたいと思っています。

無理せずみんなと続ける

枝光にこにこクラブ 上田洋美さん

 私は週1回、仲間と「にこにこステップ運動」を行っています。始めたきっかけは、病気で入院したこと。退院してからも思うように動けませんでした。つえ無しで歩きたいと思っていたとき、枝光老人クラブ会長からコミセンで「にこにこステップ運動」を始めるから参加してみてはと誘われました。今はリーダーにも任命されて、周りに助けてもらいながら続けています。活動中、たわいない話をするのも楽しみの一つ。少しずつ、体の調子もよくなっているのも実感しています。今後も無理せず、みんなと続けていきたいです。

地域で見つける生きがいづくり

 市は、高齢者の生きがいづくりの場として運動教室や講座を開催しています。開催日時や場所は問い合わせ先まで連絡してください。

にこにこステップ運動教室
ステップ(踏み台)を上り下りする簡単な運動です
よかよか介護ボランティア事業
久留米市在住の65歳以上で、介護保険の要支援・要介護認定を持っていない人が対象です。事前説明会に参加し、登録が必要。市内の介護保険施設などでボランティア活動を行います
口からはじまる健康長寿講座
口全体の動きや運動、口のトラブル予防のための歯磨きのこつを学びます

【問い合わせ先】長寿支援課(電話番号0942-30-9207、FAX番号0942-36-6845)

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