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防災特集 消防団・災害ボランティアの活動(令和4年6月1日号)

身近で安全・安心を守る人々

 災害が発生した時に、地域と連携しながら被災者の救助や生活復旧を支援する人たちがいます。消防団や災害ボランティアセンターで活躍する2人に話を聞きました。

久留米市消防団第11分団 前岡明樹さん
平成16年に久留米市消防団第11分団(長門石校区)に入団。消防部長を務める。
入団当時から、有馬火消しはしご隊としても活躍
久留米市社会福祉協議会 池田昇平さん
久留米市社会福祉協議会の地域福祉課に所属。ボランティア団体の支援、福祉機器の貸し出しなどを担当

震える子を抱きかかえて

 消防団に入団して18年になりますが、昨年のように長門石校区が浸水したのは初めてでした。早朝5時ごろ、消防団OBの人から「佐賀県の西田川排水機場が稼働していない。水が上がってくるかもしれんぞ」と連絡がありました。時間とともに地元の人からも救助に来てほしいと連絡が入るように。7時ごろには膝まで水が上がっていましたね。市消防本部に応援を要請しても、他の浸水校区へ出払っており、「自分たちだけで救助に向かおう」と意を決しました。
 ボートでの救助は、ある程度水位があると浮力が加わって押しやすいのですが、水位が低い所は、自力で押さなければならず、かなり苦戦しました。救助した人の中には、妊婦と2歳の子どもがいました。水に漬かった光景を見て、その子は震えていました。私は「大丈夫だよ」と声を掛け、だっこしながら避難所へ。帰り際に「ありがとう」と言われた時は、うれしかったのと同時に、私自身もホッとしたのを覚えています。
 現場で困惑することもありましたね。高齢者や体の不自由な人の救助です。団員に介護士がいたので体の支え方や介添えがスムーズにできましたが、日頃の訓練では気付かないことでした。ボートで搬送しても、水位が低くなると歩いて避難所に行かなければなりません。足が不自由な避難者もいたので、車を待機させることも必要だと実感しました。消防団は地元に密着しています。私たちの存在が、皆さんの安心感につながるとうれしいですね。

【問い合わせ先】防災対策課(電話番号0942-38-5160、FAX番号0942-38-5240)

 災害が過ぎても、すぐに日常の生活を取り戻すことはできません。ボランティアの皆さんと被災者に寄り添い支援します。

ぬれたベッドで3日も生活

 自然災害で一定規模以上の被害が発生した場合、久留米市社会福祉協議会に「災害ボランティアセンター」を設置します。被災して自力では生活復旧が困難な世帯に、ボランティア活動による支援を行います。主な内容は、室内の清掃、ぬれた畳上げ、使えなくなった家財の運び出しなどです。
 災害が発生すると、私たちは、地域を回って浸水状況や必要な支援などを調査します。被災された皆さんは、一日も早く生活環境を回復したいと、無理を重ねてしまいます。中には、「ボランティアの皆さんも大変だから」、「何度もお願いしていいのか」と気を使って遠慮する人も。以前、支援に入った家で、床上浸水でベッドがぬれたにも関わらず、そこで3日も寝ていた高齢者がいました。困っていることを言い出せなかったんだと思います。すぐに貸出用のベッドを手配しました。支援を続ける中で、本当に必要なことが見えてきます。
 復旧は、単に生活を元に戻すだけではありません。抱える不安を取り除くことや、誰かとつながっていたいという気持ちに寄り添うことでもあります。周りに頼む人がいない、自分たちだけではどうにもならない時は、迷わずボランティアの力を借りてください。
 市社会福祉協議会は、日頃から地域や民生委員、関係団体の皆さんと連携して活動しています。災害が発生した時は、そのネットワークを生かし、つながりを大事に支援を行っています。困っている時は、まずは連絡してください。できる支援がきっとあります。

自然災害で被災した世帯の生活復旧を支援します

久留米市社会福祉協議会
電話番号0942-34-3035
FAX番号0942-34-3090

【問い合わせ先】協働推進課(電話番号0942-30-9064、FAX番号0942-30-9706)

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