トップ > 広報久留米 > 再出発ができる社会が再犯を防ぐ

再出発ができる社会が再犯を防ぐ(令和4年3月1日号)

立ち直りを見守り支える

 近年、罪を犯し検挙される人の数は減少していますが、再犯者率は上昇傾向です。犯罪をした人や非行のある少年が、社会の中で立ち直れるように指導と支援を行うのが保護司です。保護司の活動を続け、今年で20年になる松田京子さんに話を聞きました。

家庭や学校に居場所がない

 主に15歳から18歳の保護観察となった若者たちと関わってきました。彼らに共通しているのは、家庭や学校、社会に「居場所」がなく、生きづらさを感じていることです。面談は名前や外見などを褒めて笑顔を引き出し、心を開くことから始めます。家庭環境や交友関係、仕事などの話を聞き、再び罪を犯さないように助言をします。立ち直りには本人の努力はもちろんですが、家庭や地域社会の理解と協力が不可欠です。
 保護観察はおおむね1年で終わります。最後は「またね、とは言わないからね」と言って笑顔で送り出します。数年後、社会人として立派に生活していると聞いたとき、保護司としてのやりがいや喜びを感じます。

気にかける存在に

 再犯をした子の面会に少年院まで行ったことがあります。彼には開口一番「叱りにきたよ」と言いました。私の思いに気付くと泣きながら喜び、最後は「もうしない」と言い、握手をして別れました。保護司の役割は、気にかけてくれる存在であり、社会との懸け橋になることだと痛感しました。再犯させないためには、地域社会の中に彼らの居場所や仕事を確保することが重要です。「ここにいてもいい」という安心感と経済的な自立が、彼らの立ち直りを支えます。

【問い合わせ先】地域福祉課(電話番号0942-30-9173、FAX番号0942-30-9752)

久留米の地域福祉マガジン グッチョ

グッチョとは、「何かを一緒にし合う」という意味を持つ筑後地域の方言です。
市内で進む支え合いの活動や取り組みと、それに関わる人や団体を市ホームページや投稿サイトnoteで紹介しています。

▲このページの先頭へ