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2022年私の新春メッセージ(令和4年1月1日号)

 昨年も新型コロナウイルスに立ち向かいながら、多くの人が奮闘してきました。4人に活動の思いや今後に向けて話を聞きました。

【問い合わせ先】広報戦略課(電話番号0942-30-9119、FAX番号0942-30-9702)

久留米絣工房「藍生庵」松枝崇弘さん

初めての藍染めは7歳、機織りは10歳でした。幼い頃から絣に触れてきた経験が、今に生かされています

伝統を紡いでいく

 父(哲哉さん)が病気になったのをきっかけに、久留米絣の世界に入って1年半になります。父亡き後、昨年9月に日本伝統工芸展初出品で日本工芸会奨励賞を受賞。父と母が絣に向き合う姿や思いと同じく、さらに試行錯誤をしていかなければならないと思いました。久留米絣は作業工程が36もあり、糸一本一本を手作業のみでひたすら相手にしなければなりません。1つのデザインを完成させるまでに下絵を40枚以上手描きして、ようやくイメージに近づいたものが出来上がることも。作品を生み出すには、相当な忍耐力が必要だと実感しています。しかし、小さい時から絣に触れてきたからか、苦になることはなく、楽しみながら創作しています。
 今後は、着てもらう人のことを考えながら、ひとときも手を抜くことなく、技術を身に付けて、新しい作品の制作に挑戦したいです。地元の小学校では、久留米絣の体験授業を行っています。こうした活動を通して、絣に携わる人を増やしていきたい。先人たちが代々守ってきた久留米絣を大事な文化として今後につないでいきます。

久留米大学医学部看護学科 教授 重松由佳子さん

久留米大学看護学科で保健師を目指す学生を指導しています。第3波から保健所の疫学調査に尽力しました

新型コロナで感じた絆

 昨年は、市の保健所で新型コロナウイルスの疫学調査に協力しました。疫学調査は、発症日を基準に2週間前からの行動歴などを聞き、感染源・濃厚接触者を特定し、検査につなげるものです。この疫学調査が遅れると、患者や家族などの不安な時間が続くだけでなく、感染拡大につながるため、協力要請を引き受けました。
 疫学調査をしている時、多くの患者の皆さんは、大切な家族や友人の感染を心配していました。そして、自宅待機生活を余儀なくされた患者・家族の代わりに、親族や知人が日常品を買いに行ったり、食事を届けたりして、支え合いながら感染予防に努めていました。ニュースで感染者への偏見が生まれているといわれていますが、私は疫学調査を通して、人とのつながり「絆」を感じました。改めて人の支え合いは、健康への影響が大きいと思いました。
 体だけでなく、心の健康もとても大切です。今年は、感染予防で制限のある生活の中で、心の健康を高めていくための保健活動について、学生と共に考えていきたいですね。

ゴスペルクワイヤO.V.G. 廣重貴子さん

「ゴスペルクワイヤO.V.G.」は久留米ベテルキリスト教会で練習を行っています。他に4つの団体でゴスペルの魅力を発信中

伝えたいゴスペルの魅力

 「ゴスペルクワイヤO.V.G.」を立ち上げて、今年で20年です。私にとってゴスペルは、幼い頃から隣にあった当たり前のものでした。歌詞に込められた前向きで、希望にあふれるメッセージを知ってもらいたい、魅力を広めたい、活動当初の思いは今も変わりません。現在、小学校1年生から60代まで20名が在籍しています。ゴスペルは年齢や性別も関係なく、歌える音楽。思いきり大きな声を出して、自由に歌うことができるのが魅力です。歌うときは、みんな笑顔で、時には感情があふれて涙を流すメンバーも。私は、メンバーがゴスペルを歌うとき楽しんでいる姿を見て、うれしくなります。
 昨年、団体として久留米市芸術奨励賞を受賞しました。私たちの活動への励みと思って、20周年記念も併せ、初の単独コンサートを5月に計画しています。活動当初、知人から「久留米からゴスペルを発信し続けてほしい」と言われたことがあります。期待して応援してくれる皆さんやゴスペルを通して出会ったメンバーとのつながりに感謝して、当初の思いを大事に、今後も活動を続けていきたいと思います。

久留米市キャラバン・メイト連絡会 江上憲一さん

定年を機に久留米に戻った後、地域の「人財」育成や認知症サポーター養成など精力的に活動を行っています

100歳まで活動を

 認知症になっても安心安全なまちづくりを目指して仲間と活動を始めて約10年がたちます。認知症は誰でもなりうるもの。誰もが安心して暮らすためには、認知症を正しく理解する人を増やすことが必要と考えています。目標は、自分が住む校区のサポーター数を700人にすること。そのために認知症サポーター養成講座の講師として、企業や学校などで講演を行っています。他にも予防になり、高齢者の居場所作りのきっかけになればと思って、iPad講座やZoom講座の講師もしています。私は、いつか自分も認知症になるのではと思っています。活動は将来の自分のためでもあるんです。
 現在、13団体で活動しています。さまざまなことに関心を持つことは、考えることにつながるので自身の予防になると思います。私には、100歳まで地域活動したいという目標があります。続けるためには、健康が大事。体調管理をするために、毎日の体温や食事などを記録するようにしています。健康を維持しながら、今後も活動を続けたいですね。

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