久留米市の65歳以上の高齢者は、9月1日現在約8万4千人で、約20%の約1万7千人が介護認定を受けています。介護サービスを利用することで、住みたい場所で安心して暮らすことができます。
年を重ねると、誰にでも心身の変化が訪れ、日常生活で困ることが多くなります。心身の状態が変わっても、いつまでも自分が望む場所で暮らすために役立つのが、介護サービスです。サービスを受けるには、介護認定が必要。認定を受けた人は、1〜3割の自己負担で生活に必要なサービスを利用したり、家族の支援を受けたりしながら生活を続けています。認定には約1カ月かかります。介護が必要と感じたら、早めに市や地域包括支援センターに相談してください。
サービスの一つに「小規模多機能型居宅介護」があります。一つの事業者と契約するだけで、「通いサービス」を中心として、「訪問サービス」や「泊まりサービス」などを組み合わせ、要介護者の状態や希望に応じたサービスを利用できます。介護度が高い人でも在宅での生活を継続できるように支援します。認知症高齢者の場合、記憶力や認知機能の低下により、自分のいる場所が分からなくなったり、周囲の環境の変化に対応できなくなったりします。不安や混乱、症状の悪化を引き起こすこともあります。小規模多機能型居宅介護は、全てのサービスを同じスタッフが提供するため、顔なじみの関係ができます。認知症高齢者にとっては、安心して利用できる仕組みです。
サービス利用によって、今の状態を維持したり、改善できたりする可能性もあります。上手に活用することで、介護する人・される人両方が、笑顔で毎日を過ごせる制度です。
【問い合わせ先】介護保険課(電話番号0942-30-9205、FAX番号0942-36-6845)
介護保険サービスを受けるためには、介護認定が必要です。
介護保険サービスには、他にもさまざまな種類があります。介護度によって利用限度額や利用できるサービスの範囲が変わります。一部を紹介します。
小規模多機能型居宅介護を利用している居石タケ子さん(城島町)は、現在91歳、要介護1で1人暮らしです。介護している娘の石井眞弓さん(江戸屋敷)に話を聞きました。
母は、城島町の「こころ弐番館」を利用しています。8年前、病気で認知症になり、主治医からは、施設入所を勧められました。しかし、母は「家に帰りたい」。一人で歩け、食事も排せつもできたので、私と弟もできるだけ自宅で過ごさせたいと考えました。1人暮らしで認知症の母を見るとなると、さまざまなサービスを利用しないと難しいと思い、1つの事業者で対応できる小規模多機能施設の利用を決めました。最初は通うのを渋っていた母ですが、今は安心して過ごせているようです。現在、週4日通いサービスを、それ以外の日は、こころ弐番館からの食事配達を利用しています。私と弟が交代で泊まりに行きますが、家族の事情や本人に合った対処をしてもらえるので、とても助かります。認知症と理解していても、同じことを繰り返し話す母と1日中いるのは大変。家族だからこそ、離れている時間も大事だと思います。今後も母の状態を見ながら、自宅生活を送れるようにサービスを利用していきたいです。
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