近年、子どもへの身体的虐待だけでなく、心理的虐待も問題視されています。急増している面前DVなどについて、お知らせします。
【問い合わせ先】家庭子ども相談課(電話番号0942-30-9208、FAX番号0942-30-9718)
令和3年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談件数は、約20万8000件で過去最多でした。久留米市でも396件で、最多を更新。近年の増加の背景には、子どものいる家庭での配偶者などへの暴力が心理的虐待として計上されるようになったこともあります。
子どもの前での夫婦げんかや配偶者などへの暴力は「面前DV(ドメスティックバイオレンス=配偶者や恋人などからの暴力)」といわれます。児童虐待防止法でも、心理的虐待にあたるとされる行為です。DVを目撃し続けたり、親から日常的に暴言を受けたりしてきた子どもは、前頭前野(社会生活に重要な脳部位)や聴覚野(声や音を知覚する脳部位)が萎縮したり、変形したりすることも。その結果、「会話がうまくできなくなる」、「夜眠れなくなる」、「気持ちがコントロールできなくなる」など、子どもの成長や発達にさまざまな影響を及ぼします。何より、家族間の争いは子どもに大きな悲しみをもたらします。口論がエスカレートしてきたら、いったん離れて冷静になることも必要です。
身体的虐待と違い、面前DVは周囲から気付かれにくく、子ども自身も助けを求めにくいのが特徴です。早期に適切な対応をすることで、影響を受けた脳と心の回復するスピードが速くなるといわれています。夫婦げんかくらいと軽く考えず、子どもの成長や発達に影響を与える重大な問題だと理解することが大切です。地域の人が子どもの変化に気付いて声を掛ける、話を聞くなどの対応をすることも、子どもの安心を支えることにつながります。子どもの気持ちと意思を尊重して、寄り添う必要があります。
市は、子育てやDV、家庭問題に悩む人のための相談窓口を設けています。子育てで行き詰まったり、家庭のことなどで困ったりしたときは、周りを頼るのも一つの手段です。子どもが安心して暮らせるように、一人で抱え込まず、まずは相談してください。
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