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地域福祉の現場で進む重層的支援体制整備(令和4年10月1日号)

官民複数で、つながり支える

 地域には、一つの分野だけでは解決できない生きづらさを抱えた人が多くいます。久留米市は、誰も取り残さない支援体制の整備を進めています。

分野の垣根を越えて

 市は、令和3年度から「重層的支援体制整備事業」を始めました。この事業は、既にある仕組みを生かし、誰からのどんな相談も受け止める体制を整備。制度やサービスだけでは解決できない課題を抱える人や家族に寄り添い、一体的に支援しようという取り組みです。地域福祉課の上原敬子さんは「子どもや高齢者など福祉の窓口は、分野別に分かれています。社会が複雑化する中、課題を分けることが難しくなってきました。新事業では、行政や民間団体など関係機関が同じ目線で意見交換。少しずつ、支援者同士で支え合ったり、関係機関で課題を持ち寄ったりと垣根を越えた動きが生まれています」と話します。

誰かが寄り添う社会へ

 介護が必要な親とひきこもりの子どもだけで孤立している世帯など、いくつも課題を抱えている人の支援は時間がかかったり、具体的な解決策がすぐに見つからなかったりします。その場合、誰かがつながり続け、支え合える関係があることが大切。「この事業を通じて、支援の専門職と市民の皆さんが重なり、暮らしの中での支え合いを増やしていきたい」と上原さん。その一歩として「身近で困っている人や気になる人がいたら、市や市社会福祉協議会に相談してほしい」とも話しました。

【問い合わせ先】地域福祉課(電話番号0942-30-9175、FAX番号0942-30-9752)

地域との関係を生かす

久留米市社会福祉協議会  和田健さん
 市社協は、支援が届いていない人たちにアプローチする役割を担っています。地域でひきこもりの人がいることを知り、支援につなぐことができたケースがあります。私たちがこれまで住民の皆さんと信頼関係を築いてきた強みを生かして、困りごとを抱えている人を支えていきたいと思います。

共に関わる存在が心強い

久留米市北部障害者基幹相談支援センター長 藤井誠さん
 私たちは、障害のある人の相談を受けています。この事業を通して、本人と関係を築いた機関から円滑につながった事例がありました。寄り添っている人が他にいるのは心強いですね。本人が望む生活ができるように、さまざまな機関と共に支援を考え、地域の居場所や支え合いを生み出せるまちになることを期待しています。

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