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10月29日(土曜)から久留米市美術館で「生誕140年 ふたつの旅 青木繁×坂本繁二郎」が開催されます。日本の近代洋画界に大きな足跡を残した2人の作品約250点を展示。美術館のリオープンを飾るにふさわしい展覧会です。
青木繁と坂本繁二郎。くしくも二人は、明治15年に久留米市に生まれ、同じ高等小学校と洋画塾で学び、画家を志しました。青木は東京美術学校(現東京藝術大)在学中に画壇に登場します。若くして評価されますが、華々しいデビューとは対照的に、晩年は九州各地を放浪。中央画壇への復帰もかなわず、わずか28歳の若さで亡くなりました。一方の坂本は、青木に触発されて上京し、数年遅れてデビューを果たします。
青木の没後、坂本は青木の作品が散逸することを心配し、石橋正二郎(のちのブリヂストン創業者)に、作品の収集を勧めます。正二郎が集めた作品のうち、日本近代洋画の多くは、長い間、石橋美術館(現在の久留米市美術館)で展示されてきました。平成28年、美術館の運営が久留米市に移行したことに伴い、作品の大半は東京へ。翌年、石橋財団コレクションのうち76点がフランス・パリの「オランジュリー美術館」で展示されます。特に青木の「海の幸」が、海を渡り海外で紹介されたのはこれが初めて。ルノワールやセザンヌなどの西洋の名画の中で、「海の幸」は最初の部屋に登場し、来館者42万人を魅了しました。自然の中で生きる人間の生命力を描いた作品は、ヨーロッパでの日本近代洋画への関心を高めました。
久留米市美術館は、美術館搬出入口棟整備のため、約10カ月間休館していました。10月29日(土曜)にリオープンします。第1弾は、青木繁と坂本繁二郎の生誕140年を記念した展覧会です。幼少期からお互いを意識し、切磋琢磨しながらも、作風も性格も全く異なる二人の代表作を含む約250点を展示します。それぞれの回顧展は、これまで何度も開催されていますが、同時に開催する二人展は、昭和31年に石橋美術館で開かれた「青木繁・坂本繁二郎作品展覧会」以来、66年ぶり。
それぞれの初期から晩年までの画業を「出会い」、「別れ」、「旅立ち―坂本繁二郎」、「交差する旅」の4章に分けて紹介します。二人が、唯一同じ題材「能面」を描いた作品の同時展示も実現。日本の洋画が成熟へと向かう時代の流れの中で、独自の作風を探求した青木と坂本。二人の生涯を交差させながら「ふたつの旅」をひもといていきます。
【問い合わせ先】久留米市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)
昨年12月から10カ月の休館を経て、大型エレベーターを備えたトラックヤードが完成しました。重要文化財や大型作品も天候に左右されることなく、安全に搬出入することができ、さらなる展覧会の充実に。大規模な工事は、美術館を支援する公益財団法人石橋財団による寄付事業として施工されました。文化センター庭園内のライトアップ設備も充実します。
その他、講座やワークショップの開催も予定しています
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