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開館5周年記念 九州洋画2 大地の力(令和3年9月1日号)

九州の洋画を78作品から掘り下げる

 9月18日(土曜)から久留米市美術館で「開館5周年記念 九州洋画U 大地の力」が開催されます。「九州の洋画の特徴とは何か」をテーマに、明治から現在までの78作品を展示しています。

原点に立ち戻る展覧会

 平成28年に石橋美術館は久留米市美術館になりました。開館を記念して開催された展覧会のタイトルは、今回と同じ「九州洋画」。九州を中心に洋画を調査、収集、研究、展示してきたこれまでの美術館の伝統を、今後も受け継ぐというメッセージを込めたものでした。今回の展覧会は、開館5周年の節目に当たり、原点に立ち戻り、改めて「九州の洋画とは何か」を考えます。

数々の偉才を生み出した九州

 明治の洋画界をリードしたのは、黒田清輝や藤島武二ら多くの九州出身の画家たちでした。「九州の洋画」を語ると、日本美術の歴史と重なります。さらに深く特徴を見いだすため、九州出身の画家たち63人の78作品から、今日まで受け継がれてきた力強い表現を紹介します。
 九州は長崎から西洋につながり、中国大陸にも近く、さまざまな民族や文化との接点がありました。古墳時代から諸国の神々を受け入れてきた多彩な文化の土壌があったことは、神話性・宗教性を帯びた多くの作品から伝わってきます。代表的な作品は片多徳郎の「霹靂」。他にも青木繁や古賀春江が描いた神秘的な世界から、さまざまな物語を感じることができます。

地域の文化を支えた人々

 当時、洋画を志す若者の多くは、上京し西欧に留学。帰国後は中央画壇で活躍することが成功の道筋となっていました。その一方で、九州にとどまったり、ふるさとに戻り作品を制作しながら、後進への指導をしたりする画家もいました。久留米市出身の坂本繁二郎もその一人です。留学後は久留米や八女で作品を描き続けました。こうした生き方が、多くの画家たちに影響を与えました。教えを請う画家が増え、地方画壇が形成されていきました。坂本善三の「空間へ」や宇治山哲平の「童」は、九州の風土が生んだ作品です。
 他にも、今回の展示ならではの見どころがたくさんあります。公式Facebookでも紹介していきます。

【問い合わせ先】久留米市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

九州洋画にまつわるトークイベントを開催

 坂本繁二郎や海老原喜之助、ネオ・ダダなどの作家とふるさとの関わりについて専門家によるシンポジウム形式のトークイベントが開催されます。詳しくはホームページで確認してください。

  • 日時=令和3年10月23日(土曜)13時30分〜16時
  • 会場=共同ホール
  • 料金=無料
  • 定員=200人・抽選
  • 申込締切=10月5日(火曜)

開催情報

  • 会期=9月18日(土曜)から12月12日(日曜)までの10時〜17時。入館は16時30分まで。月曜は休館。9月20日(祝日)は開館
  • 入館料=一般1,000円、65歳以上700円、大学生500円、高校生以下無料。前売り券600円。チケットぴあ、ローソンチケットなどで販売

(注意)感染対策を行いながら開催します

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