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1人1台のパソコンで多様な学びを実現(令和3年8月1日号)

パソコンが文房具に

 国は、令和2年度から小・中学校、特別支援学校、高校で、ICT環境の整備を目指す「GIGAスクール構想」を打ち出しています。ICTの活用を推進し、「個別最適・協働的な学び」の実現を目指す久留米市の取り組みを紹介します。

Googleとの連携で実現

 文部科学省は、新学習指導要領で「情報活用能力の育成」や「ICTを活用した学習活動の充実」を明記し、これを実現するため、児童生徒に一人一台のパソコン配布と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する「GIGAスクール構想」を公表しました。久留米市は全国に先立ち、世界のIT事業を牽引するGoogle社が提供する「Google for Educationパートナー自治体プログラム」に参画。同社から提供される教員研修プログラムや最新の実践事例を活用して、教員のICTスキルの向上を図っています。多様な子どもたちを誰一人取り残さないために「個別最適・協働的な学び」の実現を目指しています。

理解に応じた学習が可能に

 ICT教育の前提として、児童生徒は、パソコンを使う便利さや、情報漏洩の危険性、ネットモラルなど安全な使い方のルールを学びます。写真の撮り方やドリルソフトなど簡単な端末操作から始め、全ての学年でパソコンを活用した授業を進めていきます。
 黒板に貼っていた資料なども、パソコンを使えば、画面上で複数の資料を並べたり、縮小拡大することも簡単です。データを保存すれば、振り返りもできます。複数の子どもが同時にファイルに書き込むこともでき、友人の考えを閲覧しながら、自分の考えをまとめ書き込むなど、多様な考えに触れることができます。人前で話すことが苦手な児童生徒も、共同編集機能を使うことで、自分の考えを伝えることができるように。
 クラス全員が同じ課題に、同じ時間を掛けるのではなく、学習ドリルソフトなどを使えば、理解に応じた個別学習もでき、子ども一人一人に最もふさわしい教育を実現することができます。

【問い合わせ先】教育ICT推進課(電話番号0942-36-9770、FAX番号0942-35-9930)

1.分かりやすい授業
映像やアニメーション、音声などを使って、パソコンで教材を操作したり、映像記録が可能になります
2.効率のいい授業
教員が一斉に配布できるツールを活用し、カラー資料をデジタルで児童生徒の端末に配布できます
3.全員で共有
一斉に書き込めるツールを活用し、考えや答えをクラスで共有できます
4.個別の学習
AIドリルを使って一人一人にあった問題に取り組めます
5.グローバルな授業
地域や国を超えて、オンライン社会見学や他国との交流授業ができます

子どもの力を引き出すツール

教育ICT推進課長 加藤文人さん
現代の子どもたちは、グローバル化の進展や情報技術の革新など、急激な社会の変化に関わりながら、豊かな時代を創造していく力を身に付ければなりません。ICTを活用することで「情報活用能力」や「創造力」を育成し、子どもたちは自信や、自尊感情、協調性などを学んでいきます。
市は、今年3月に校内ネットワークの整備を完了し、小中高校にChromebookを約2万4,000台配備。教育ICT推進モデル校の南薫小・荒木中学校や他の学校の実践事例を全校に広げていきます。
これまでの教育とICTの融合で、子どものニーズに応じた学びや、多様な考え方に触れ合う教育を進めていきます。

友だちの考えを共有できて楽しい

南薫小6年 北川華さん
 パソコンを使うと、調べたい内容がすぐ出てくるので、調べる時間が短くなりました。5年生から使っていますが、今ではタイピングが得意です。Jamboardを使う授業で、画面の上で付箋に自分の考えを書き込んだり、張る場所や色を変えたりするのが好きです。
 同じ画面にみんなが書き込めるので、友だちの考えを知ることができます。パソコンをみんなが持っていることで、クラス全員で発表することができて、交流も増えて授業が楽しくなりました。プログラミングを勉強して、オリジナルのゲームを作ってみたいです。

自分の動作を動画でチェック

荒木中2年 内田結唯さん
 音楽の指揮のテストで動画を活用しました。自分の動きを自撮りし、上手く出来ているところや気になるところをチェック。先生への提出も動画でしました。「友だちからはこう見えているんだなあ」って気付きました。体育の授業でも、友だちに撮ってもらってフォームを確認しています。パソコンがないとできないことですよね。
 休み時間は、タイピング練習サイトで速さや正確さを競っています。みんなで一緒にできるのが楽しいです。同じテーマを画面で共有して、メッセージのやりとりをすると、発表が苦手な子も参加できるし、みんなの意見も聞けてうれしいです。

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