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防災特集(令和3年6月1日号)

1.流域治水で激甚災害に挑む

 気候変動による自然災害の激甚化・頻発化を踏まえ、河川全域で対策を行う「流域治水」が始動しています。各関係機関が、ハード整備・ソフト対策に一体となって取り組んでいます。

流域治水への転換

 久留米市では、平成30年以降、観測史上最大を記録する大雨が3年連続で発生しました。地球温暖化による気候変動の影響で、今後も想定外の災害が頻発すると見込まれています。筑後川でも、これまでさまざまな治水対策を行ってきましたが、ますます激甚化する自然災害に対応することは困難になっています。国土交通省は、あらゆる関係者が機関の垣根を超えて協働して行う「流域治水」への転換を進めています。

筑後川に関わる機関が集結

 流域治水を進めるため、令和2年9月に「筑後川流域治水協議会」が発足しました。久留米市をはじめ23市町村、福岡県、佐賀県、大分県、熊本県、九州地方整備局などの関係機関で構成しています。協議会では、流域治水に関する取り組みをまとめた「流域治水プロジェクト」を作成。今年3月に国のホームページで公表しています。
 氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策、被害対象を減少させるための対策、被害の軽減、早期復旧・復興のための対策を柱にしています。河道掘削や堤防・護岸工事、防災情報伝達訓練の強化や簡易水位計の設置など、ハード整備・ソフト対策が一体となった防災・減災対策に取り組んでいます。

【問い合わせ先】広域事業調整課(電話番号0942-30-9093、FAX番号0942-30-9714)

被害の大きい流域を対策

 久留米市は、平成30年7月豪雨で、特に被害が大きかった流域を、国・県と連携して治水対策を進めています。令和2年3月に、金丸川・池町川流域、下弓削川・江川流域の総合内水対策計画を策定しました。
 排水路や道路側溝から流れ込む雨水を集め、河川へ排除するための雨水幹線の整備や、河川の水位が上昇した時に、雨水を貯留して下流の負担を軽減するための貯留施設の整備なども進めていきます。令和2年度から約5年で整備する予定です。現在、国・県と連携して、陣屋川・大刀洗川流域、山ノ井川流域の治水対策の計画策定に向けて協議を進めています。
 併せて、令和元年7月豪雨で、建物や道路冠水などの浸水被害が大きかった筒川流域の対策も進めていきます。

【問い合わせ先】河川課(電話番号0942-30-9075、FAX番号0942-30-9712)

近年の降雨量比較

(注意)黒文字の数字は、観測史上1位 観測地:久留米観測所(津福)

平成30年7月
1時間最大雨量(ミリメートル)=40.5
3時間最大雨量(ミリメートル)=−
24時間最大雨量(ミリメートル)=279.5
48時間最大雨量(ミリメートル)=383.5
総雨量(ミリメートル)/観測日=386.0(7/5〜8)

令和元年7月
1時間最大雨量(ミリメートル)=90.0
3時間最大雨量(ミリメートル)=177.5
24時間最大雨量(ミリメートル)=335.5
48時間最大雨量(ミリメートル)=402.5
総雨量(ミリメートル)/観測日=474.5(7/18〜23)

令和元年8月
1時間最大雨量(ミリメートル)=60.5
3時間最大雨量(ミリメートル)=147.0
24時間最大雨量(ミリメートル)=330.0
48時間最大雨量(ミリメートル)=366.5
総雨量(ミリメートル)/観測日=408.0(8/26〜29)

令和2年6月
1時間最大雨量(ミリメートル)=92.5
3時間最大雨量(ミリメートル)=−
24時間最大雨量(ミリメートル)=193.5
48時間最大雨量(ミリメートル)=194.0
総雨量(ミリメートル)/観測日=194.0(6/26〜29)

令和2年7月
1時間最大雨量(ミリメートル)=48.0
3時間最大雨量(ミリメートル)=105.5
24時間最大雨量(ミリメートル)=360.5
48時間最大雨量(ミリメートル)=483.0
総雨量(ミリメートル)/観測日=735.0(7/5〜10)

2.災害対策 ここが変わります

避難情報などの変更、ペット同伴避難所など新たな対策も

 災害が発生した時に迷わず避難行動が開始できるよう、避難情報などが変更になりました。さまざまな課題・問題を改善しながら、防災・減災対策に取り組んでいます。

変更1 警戒レベル4避難指示に一本化

 久留米市は、災害に備えて気象情報や河川の水位、土砂災害の危険度など、さまざまな情報を集約しています。災害が発生したら、警戒レベルに応じて、市民の皆さんに避難情報を発令します。その中で「避難勧告」と「避難指示」は、違いが分かりづらく、避難するタイミングを逃してしまうといった課題がありました。国は、災害対策基本法などの一部を改正し、避難情報を見直しました。
 警戒レベル4の避難勧告と避難指示を一本化し、避難指示に変更しました。警戒レベル3は、高齢者等避難に変更され、高齢者や介助が必要な人などに早めの避難を呼び掛けます。警戒レベル5は、緊急安全確保に変更、命を守る行動を求めています。

【問い合わせ先】防災対策課(電話番号0942-30-9074、FAX番号0942-30-9712)

これまでの避難情報等
警戒レベル5=災害発生情報
警戒レベル4=避難指示(緊急)・避難勧告
警戒レベル3=避難準備・高齢者等避難開始
警戒レベル2=大雨・洪水・高潮注意報(気象庁が発表)
警戒レベル1=早期注意情報(気象庁が発表)
5段階ごとの災害警戒レベル 新たな避難情報等
警戒レベル5=災害発生または緊迫 緊急安全確保
【警戒レベル4までに必ず避難】
警戒レベル4=災害の恐れ高い 避難指示
警戒レベル3=災害の恐れあり 高齢者等避難
警戒レベル2=気象状況悪化 大雨・洪水・高潮注意報(気象庁が発表)
警戒レベル1=今後気象状況悪化の恐れ 早期注意情報(気象庁が発表)

警戒レベル5

すでに安全な避難ができず命が危険な状態です。 警戒レベル5緊急安全確保の発令を待ってはいけません

警戒レベル4

これまでの避難勧告は廃止されます。これからは警戒レベル4避難指示で危険な場所から全員避難しましょう

警戒レベル3

避難に時間のかかる高齢者や障害のある人は、警戒レベル3高齢者等避難で危険な場所から避難しましょう

変更2 安心して過ごせる避難所を開設

ペットと一緒の避難が可能に

 避難所でペットを受け入れてもらえないため、車内で避難生活を続けたり、自宅にとどまり避難をためらったりすることが、全国的に課題になっていました。
 市は、今年度から、ペットと一緒に避難できる専用の避難所を開設します。ペット同伴の常設避難所は県内初。場所は、サイクルファミリーパークわんぱく童夢館(御井町)。警戒レベル3の指定避難所と同じタイミングで開設します。避難所では、ペットはケージに入れ、飼い主が餌や排せつの世話をします。ケージに入らない大型動物や危険な特定動物は受け入れできません。避難所には、多くの人やさまざまな種類のペットが集まります。限られたスペースで、人とペットが一緒に過ごすためには、日頃のしつけや、ペットの体調管理などが必要です。他の避難者とトラブルにならないよう各自で適切に管理してください。

【問い合わせ先】防災対策課(電話番号0942-30-9074、FAX番号0942-30-9712)

ペット同伴避難専用避難所
  • サイクルファミリーパークわんぱく童夢館
  • 御井町2028の7、東合川野伏間線の競輪場東口信号から入る
  • 警戒レベル3で開設
  • ケージ・ふん尿袋・ペットフードなどを各自で準備

コロナ禍での避難所運営

 新型コロナの感染が拡大する中で、避難所を開設する場合は、衛生対策を徹底します。市内74カ所の避難所に、間仕切りパーテーションの設置を拡大。避難所での3密を回避して感染を防ぐため、自宅に浸水しない部屋などがあり、安全が確保できる場合は「在宅避難」を、安全な地域に親戚や友人などがいる場合は「分散避難」を検討してください。

【問い合わせ先】防災対策課(電話番号0942-30-9074、FAX番号0942-30-9712)

変更3 ハザードマップを充実

 安全で確実な避難行動が取れるように、新たなWEB版ハザードマップを公開しています。

高潮ハザードマップ

 台風が発生した場合、有明海沿岸での最大規模の高潮を想定し、筑後川の氾濫や有明海の高潮・高波によって浸水が想定される範囲をまとめています。

【問い合わせ先】防災対策課(電話番号0942-30-9074、FAX番号0942-30-9712)

防災重点農業用ため池ハザードマップ

 防災重点農業用ため池は、満水時に自然災害などで決壊した場合、周りに影響を及ぼすため池のことです。市内に81カ所あります。校区ごと、ため池ごとに浸水が想定される範囲をまとめています。

【問い合わせ先】農村森林整備課(電話番号0942-30-9166、FAX番号0942-30-9717)

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