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シリーズ 今、気づき、じんけん 共に生きる【7】(令和3年3月15日号)

お互いに暮らしやすい社会に

 久留米市で生活している外国人は、現在約4,500人で、年々増えています。毎月第3土曜日に、外国人無料相談会でアドバイスをしている、行政書士の宮武幸子さんに話を聞きました。

宮武幸子さん
行政書士。外国人が日本で生活するために必要な在留資格や国際結婚などの問題について相談や支援を行う。久留米市だけでなく、県内外でも活動している。昭和55(1980)年生まれ。

情報を正しく理解できていない

 外国人からの相談は、在留資格や結婚、離婚など多岐にわたります。話をしていて感じるのは、情報を正しく知らない、理解できていない人が多いことです。手続きに必要な書類が送られてきた場合、長く日本で生活する人であれば、日本語も上達し、内容を理解できるかもしれません。しかし、来日したばかりで日本語が分からない人は、書類が届いても、それが重要な知らせか分からず、サービスを受ける機会や権利を失うことがあります。例えば、家族から呼び寄せられて日本で生活を始める人は、日本語を学ばないまま来日する人も多いんです。相談できる人も少ないので、生活していくために何をしたらよいか、どこに聞いたらよいか全く分かりません。子どもがいる世帯で、学校からの書類が理解できず、必要な手続きができなかったケースもありました。

文化の違いを認めて、歩み寄る

 外国人に関する問題でよくあるのが、ごみの出し方や夜中の騒音が近所迷惑になるという話です。外国人だからといって知らないふりをするのではなく、日本で暮らすルールを伝えてほしいんです。声を掛けてくれる人がいれば、知らなかったことに気付きます。まず相手を知ろうとすること、文化の違いや多様性があることは当たり前のことと認めることが大事だと考えます。その上で、同じ社会で生活するためにどうしたらいいか、歩み寄ることが大切だと思います。専門家でなくても日常的に解決できる問題は、皆さんの身近にたくさんあります。

あいさつをきっかけに

 昨年、市校区まちづくり連絡協議会で、「外国人と共に暮らすまちづくり」というテーマで話をしました。同じ地域の住民として一緒に生活していくために、どう接していいかなどの各校区の声を聞けました。大切なのは、あいさつすること。あいさつが続けば顔見知りになり、コミュニケーションは広がります。日本語を学ぶ場所はあっても、日本人と交流する場は少ないように感じます。言葉が通じるか不安という人もいると思いますが、単語や身ぶりだけでも伝わることはたくさんあります。日本人も外国人も同じ地域で生活する隣人として接していくことで、お互いに暮らしやすい社会になってほしいと思います。

【問い合わせ先】広聴・相談課(電話番号0942-30-9096、FAX番号0942-30-9711)

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