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東日本大震災から10年 あの日を忘れない(令和3年3月1日号)

被災地に向けたそれぞれの思い

平成23年3月11日に発生した東日本大震災から、間もなく10年になります。
余震が起きるなど、今でも影響は続いています。
これまで久留米市は、姉妹都市である郡山市などの被災地に職員を派遣。復興に寄り添ってきました。
派遣職員が当時を振り返ります。

  • 震災から4年後平成27年に山元町へ 文化財保護課 熊代昌之さん
  • 震災から1年後平成24年に陸前高田市へ 路政課 田嶋健太郎さん
  • 震災から1年後平成24年に郡山市へ 健康福祉部総務 植松徹也さん
  • 震災から2年後平成25年に郡山市へ 農村森林整備課 遠藤修平さん
  • 震災から3年後平成26年に郡山市へ 下水道整備課 野口健太郎さん
  • 震災から4年後平成27年に郡山市へ 道路整備課 古田健人さん

派遣された当時の印象は。

田嶋
津波で全て流され、市街地も頑丈な建物しか残っていない光景は衝撃でした。
熊代
派遣先は津波の被害が大きな海沿いの場所でした。震災から4年たって、がれきは除去されていたものの、建物など何一つない光景に言葉が出ませんでした。
野口
震災から3年たっても余震が頻繁に起きていて、不安な日々が続いていたのを覚えています。
遠藤
遣時、福島県内の除染が始まったばかりで、試行錯誤の毎日でした。しかし、現地の皆さんが協力的だったので、前向きな気持ちになれましたね。
古田
震災から4年たって、被災された人たちは新しい生活で大変な中でも、私たちを温かく迎えてくれました。その思いに応えようと業務に励みました。
植松
「姉妹都市の久留米の人から支援してもらって、本当にうれしかった」と、現地の人が涙ながらに話されたのが印象的でした。両市で培ってきた絆の深さを感じました。

被災地へ今思うことは。

遠藤
現地にはさまざまな思いで立ち向かっている人がいます。また久留米には、それを応援する人がたくさんいます。それぞれの思いをつないでいかなければいけないと強く感じています。
古田
今も復興公営住宅の暮らしが続いて、苦しんでいる人たちはたくさんいます。風化させないためには、誰もが関心を持つことが大切だと思います。
熊代
報道されることが少なくなりました。あの日を忘れないように、少しでも振り返ることが大切です。私は一刻も早く復興が進むように被災地へ思いをはせています。
野口
被災地はまだまだ復興の途上にあります。復興状況を調べるなど、自分にできることを取り組んでいます。
田嶋
復興支援は「お金」や「物資」だけではなく、「交流」も大切です。今は新型コロナで自粛を求められていますが、観光して交流することも素晴らしい支援だと思いますよ。
植松
東北地方は美しい自然や、観光地もたくさんありますよね。私にとっては、郡山市は第2の故郷になりました。今後も現地の皆さんと一緒に乗り越えていこうという気持ちでいっぱいです。

【問い合わせ先】総務課(電話番号0942-30-9052、FAX番号0942-30-9706)

今の私たちにできること 震災の記憶を伝える

復興の灯火プロジェクト

 郡山市は、令和元年から郡山駅に灯籠をともして復興を祈るイベントを開催しています。昨年からは郡山女子大学短期大学部と地域の伝統文化を生かして実施。今年は復興10周年となる3月11日に開催します。
 津福小学校の4年生もプロジェクトを通じて復興への思いを届けます。児童は復興に向けて頑張ってほしいと和紙にメッセージや絵を描き、ビデオレターも一緒に送りました。

久留米から思いを届ける

 プロジェクトは誰でも参加できる「復興ツリー」もあります。インターネットの特設サイトで震災への思いを一枚の葉に載せてメッセージを投稿。一人一人の思いが葉として集まって、震災への思いをつなぐ一本の木を作り上げていきます。

郡山市からのメッセージ 歴史が育んだ交流

久留米開墾報徳会 副理事長
森尾弘一さん

震災で深まる都市の絆

 私たち久留米開墾報徳会は、久留米藩士の歴史を後世に伝える活動をしています。明治政府の廃藩置県で失業した多くの武士が、東北地方の開拓のため、各地に入植をしました。その中で「安積開拓」の第一陣としてやってきたのが久留米藩士たちです。当時の開墾はかなり苦しく、つらい生活を強いられていたといわれています。筆舌に尽くせぬ努力だったと思います。
 10年前の震災では、職員をはじめ、多くの久留米市民の皆さんから励ましを頂きました。先人たちが築いた絆が、しっかり受け継がれていることを実感しています。派遣してもらった市職員の皆さんとは、復興支援の業務だけではなく、郡山市の久留米地区で開催される運動会などへの参加を通じて交流を深めることができました。
 この10年の間、何度か久留米市を訪れる機会がありました。そのたびに皆さんから「郡山市から来たとね。久留米市と姉妹都市やんね。復興はどげんですか」と声を掛けてもらうことが多く、うれしく思っていました。
 2月13日に震度6弱の地震がありました。幸い前回ほど大きな被害はありませんでしたが、今なお震災の影響が続いていることを思い知らされました。復興はまだまだ道半ば。これからも2つの都市の絆をしっかり守っていきます。コロナが落ち着いたら、ぜひ郡山市に来てください。久留米市と同じでおいしい銘酒があります。皆さんとの交流がより一層深まることを、久留米藩士も喜んでいると思います。

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