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2021年 私の新春メッセージ(令和3年1月1日・15日合併号)

 昨年注目を集めた人や今後の活躍が期待される4人の皆さんに新年の抱負などを語ってもらいました。

松尾ハム代表 林之寛さん

本場ドイツの味を復活

 こんなにおいしいハムを二度と食べられないのは寂しい。復活させるチャンスは今しかないと昨年10月、上津町に松尾ハムの工場を復活させました。創業は、大正4年の第1次世界大戦真っただ中。久留米に収容されたドイツ兵捕虜の一人、食肉加工職人のアウグスト・ローマイヤーからハムの製造法を教わったといいます。以来100年以上、地域の人々に愛されてきました。
 私は大阪で働いていましたが、妹が工場長の松尾俊之さんと結婚したのを機に松尾ハムと出会いました。初めて食べたとき、あまりのおいしさに衝撃を受けました。お歳暮などで知人に贈るうちに、大阪でもファンが増えましたね。平成29年12月、日吉町にあった松尾ハムは後継者がなく、惜しまれて閉店。味が忘れられず、退職後に復活させることを決意したんです。引退した松尾さんに「ハム作りを教えてください」と頭を下げました。店の改装や機械の新調など一からのスタート。ハム作りは重労働ですが、皆さんに「復活してくれてありがとう」と喜んでもらい、やりがいを感じています。
 今後は受け取ったバトンを次の100年につなぐことが私の使命だと思っています。そのためにも、無理をせず、長く作り続けていきたいですね。

丸信 米倉春美さん

新技術で世界一のラベルに

 昨年ベルギーで開かれた第31回ラベルコンテストで、手掛けた日本酒用のラベルが、世界一に輝きました。
 私は印刷会社丸信の「新技術開発委員会」のメンバーで、企画から加工全てに携わっています。募集は令和元年。元号が変わった歴史的な年だったので、「令和」の語源となった万葉集の「令月」をイメージしました。月面の模様は、世界各地から見える月を取り入れ、一枚一枚模様が異なるデザインのラベルにしました。使用した桜の木は割れやすく、印刷が難しいのですが、目標である世界一達成に向けてチャレンジすることにしました。こだわり続けた結果、デザインが決まったのは提出の1週間前。時間もなく通常の仕事に加えての作業でしたが、チームのメンバーは快く協力してくれました。初めて挑戦することが多く、全ての工程に立ち会い、細かい修正を各担当者と一緒に何度も繰り返しました。ギリギリまで完成するか不安でしたが、想定通りのラベルが出来上がりました。その瞬間、達成感と協力してくれた人たちへの感謝であふれました。
 今年の目標は世界一の2連覇達成。世界一の技術で、商品を手に取ってもらえるようなパッケージをお客さんと一緒に考え、作っていきたいですね。

金華園代表 二又朋則さん

花木を身近に感じてもらいたい

 植木の本場イギリスなどへの留学を経て庭木や園芸植物を生産する金華園の3代目になりました。家業に加えて植木の魅力を伝えるために若手花木生産者の団体を立ち上げ、にじ農業協同組合の青年部部長を務めました。
 植木は高価で手間がかかると思われがちです。管理が行き届かない、大きくなるから世話ができないといった理由でなかなか購入までつながりません。どうにか解決できる方法はないかと考えた末に昨年3月に始めたのが、店舗やオフィス向けに植木を貸し出す事業「ツリース」でした。1〜2カ月ごとに植木を交換。メンテナンスや運搬は私たちが全て行うので店舗側の負担も少なくて済みます。桜や紅葉などの花木が30種類以上あり、季節感のある空間を演出します。お客さんが気に入れば、そのまま店舗で販売できて、店舗にも収入が入ります。取り組みが広がることで、皆さんが花木に親しみを感じ、癒やされてくれるとうれしいですね。
 昨年、ツリースなどの活動が認められ、市のふるさと農業奨励賞を受賞しました。今後も植木に興味を持ってもらえるよう、新しいことにチャレンジします。今年は市民の憩いの場として、金華園の隣に花木を使った庭を造る予定です。楽しみにしていてください。

聖マリア病院感染管理認定看護師 馬場千草さん

感染拡大防止のために奮闘

 聖マリア病院で「感染管理認定看護師」として働いています。感染に関する専門的な知識と技術で、患者と職員を院内感染などから守ることが私の役割です。感染症の予防対策が整っているかなどの確認や、研修会の講師として予防方法などを伝えています。医療従事者を守ることが、患者を守ることにもつながります。
 昨年は、新型コロナの患者が発生しました。そのため、クラスター化や重症化リスクの高い高齢者施設などに行き、施設職員に向けて感染防止のための正しい手洗いの方法や、感染者が発生した時の対策など、施設に合った感染対策のアドバイスなどを行ってきました。
 全ての感染予防は、手洗いが基本です。さまざまな感染対策がありますが、正しい手洗いは感染リスクを確実に下げます。これらは新型コロナだけでなく、他のウイルスに対しても有効です。
 新型コロナの影響は長期化すると思います。皆さんには気を緩めずに今後も予防を徹底してほしいです。一人一人が対策することで感染拡大を防ぐことができるのです。今年は高齢者施設だけでなく、保育園での手洗い指導も行い、予防の大切さを伝えていきたいと思っています。

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