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シリーズ みんなで生きる みんなが活きる 第2回(令和2年9月1日号)

みんなで生きる みんなが活きる

第2回 地域ぐるみで守る避難行動要支援者の命

豪雨災害のわずか2週間後に訓練

 7月5日から降り出した記録的豪雨で、6日には市内ほとんどの地域に避難勧告・指示が出され、最大約1,400人が避難。市内各地に大きな爪痕を残しました。それから約2週間後の7月20日、甚大な被害を受けた北野校区で、避難を想定した図上訓練が開催されました。
 同校区は陣屋川の流域にあり、以前から大雨が降ると多くの世帯が床上・床下浸水に。同校区まちづくり振興会の南島和夫会長は、「これまでも訓練をしてきて、地域で声を掛け合う文化は根付いていると思います。でも最近の雨はすごいから、やはり備えないと」と話します。

手助けが必要な人の避難をどうするか

 市の地域福祉課と防災対策課の協力の下、各校区が主催する図上訓練の特徴は「避難行動要支援者名簿」を使うことです。災害時に自力や家族だけでの避難が難しい人の”命を守る”ために必要な情報を登録したものです。訓練では自治会ごとにこの名簿と地図を広げて避難の動きを確認。名簿に登録された人の家に赤シール、名簿には載っていなくても手助けが必要だと思う人の家には黄色のシールを貼り付け、その人たちの支援者を決めて避難ルートを考えました。近くに住む要支援者の存在を共有し、日頃から声を掛け合うことが、いざというときに役立ちます。訓練に参加した男性は、水害当時外出先から家に戻れなかった経緯から、「自分一人が意識を持つだけでは、守れない命があると気付きました」と話しました。
 訓練では、被災の状況を映した映像を放映。今年の水害で自宅が床上約80センチメートルにも及ぶ浸水被害を受け、過去にも豪雨により2回の床上浸水被害を受けた飛永光さんは、訓練の結びに次のように話しました。「私は3回目の被災。被害の映像を見ると、少し心が折れそうになります。でも、今日流した映像を見て、被災者がすぐ近くにいるということを実感してほしいとも思います」。直近の災害の生々しい記憶や映像が、図上訓練の場に緊張感を与えていました。

【問い合わせ先】地域福祉課(電話番号0942-30-9174、FAX番号0942-30-9752)

この事例はどれ?地域共生社会に向けた取り組み13の視点

地域共生社会の実現のために、13の取り組みの視点があります。掲載した取り組み事例がどれに当たるかを、星マーク★マークで示しました。

地域共生社会に向けた取り組み13の視点

  1. つながりの構築
  2. 見守り活動の推進
  3. 誰もが集える場の拡充
  4. 個別対応が必要な人への支援
  5. 星マーク★災害時要支援者への支援
  6. 権利擁護の推進
  7. 多機関連携の推進
  8. 財源確保の推進
  9. 地域における人材の育成
  10. コミュニティーなどへの支援
  11. 事業者などの地域貢献の促進
  12. 福祉人材の養成と資質の向上
  13. 福祉の理解を深める取り組み

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