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広報くるめ1500号記念特集 市政広報紙の67年の歩み(令和2年9月1日号)

郷土の姿を伝えたあの日、あの時

 昭和28年2月1日に「市政くるめ」第1号発行。今号で1500号を迎えました。時代と共に形を変え、歴史を刻んだこれまでを振り返ります。

【問い合わせ先】広報戦略課(電話番号0942-30-9119、FAX番号0942-30-9702)

昭和28(1953)年2月1日創刊号
第1号は新聞判型のタブロイド版で4ページ、月1回の発行でした。自治体が広報紙を発行するのは、当時は珍しかったそう
昭和28(1953)年7月20日号
6月26日に未曽有の豪雨で筑後川が決壊。濁流が全市域を飲み込みました。担当者は3週間以上泊まり込みで取材をしました
昭和31(1956)年5月5日号
4月に石橋文化センター開園。紙面3ページを使って開園の様子を紹介。ブリヂストン創業者・石橋正二郎氏の寄贈で「夢の贈り物」といわれました
昭和58(1983)年9月1日号
昭和56年の着工から完成までを掲載した西鉄東口再開発。久留米商業高校が夏の甲子園でベスト4に
昭和59(1984)年10月1日号
9月17日、久留米・鳥栖テクノポリス(高度技術集積都市)が国の指定を受けました。昭和57年から15回以上にわたり基本構想や課題、着工の様子を紹介しました
昭和61(1986)年4月1日号
タブロイド版からA4版の現在の形へ。市民からの投稿「みんなの広場」がスタート
平成元(1989)年4月1日号
市制施行100周年号は初のフルカラー
平成7(1995)年1月1日号
新市庁舎の完成を記念して特集号を発行
平成11(1999)年11月1日号
発行1000号を記念して「広報くるめ」に
平成17(2005)年2月5日号
久留米市、田主丸町、北野町、城島町、三潴町が合併。記念号として、2月1日の発行日を合併した日の5日に変更しました
平成19(2007)年8月15日号
田主丸の巨峰開植50周年を記念した特集号。広報紙で初の特集は、県広報コンクールで入賞
平成23(2011)年4月1日号
3月12日に九州新幹線久留米駅が開業。3月1日・15日号の3号にわたり開業イベントや新駅を紹介
平成28(2016)年4月1日号
4月27日、新ランドマークとして久留米シティプラザがオープン。ふるさと特別大使の田中麗奈さんを表紙に、8ページにわたる大型特集で、プラザの魅力を紹介しました
平成30(2018)年11月15日号
「ものづくり大国の意地」をテーマに10ページの大型特集。ゴム産業を原点に、人との交流、精神の伝承に迫りました。県広報連絡会審査会広報紙部門1位
令和2 (2020)年5月1日号
新型コロナウイルス感染症の発生で、支援策などを紹介。保存版の対策冊子を付けました

月2回発刊・広報くるめ制作の舞台裏 皆さんの手元に届くまで

制作はパソコンで

 月2回の編集会議や、各課との打ち合わせを重ねて内容を決定。取材、撮影、デザインやイラストなどを手分けしてこなします。パソコンの専用ソフトで編集し、デジタルデータを印刷業者に。印刷、仕分け後、各世帯に配布されます。発行には多くの皆さんの協力があります。

  1. 編集会議 3号先までの記事の確認、取材担当者を決定します
  2. インタビュー・写真撮影 担当課との打ち合わせ後、広報戦略課の職員がインタビューや写真撮影を行います
  3. 記事の制作 ページごとに、レイアウトを決め記事を制作します
  4. 校正 用字用語集で誤字脱字がないか入念にチェック。分かりやすく、やさしい文章、統一した基準を守りながら、校正します
  5. 出稿 写真の配置や配色を指示しながら、印刷業者へデータを渡します
  6. 印刷・製本 オフセット印刷で、毎号約11万2,000部を印刷します
  7. 仕分け・配送 シルバー人材センターで各校区の広報連絡担当者ごとに仕分けます
  8. 仕分け・自宅へ配布 広報連絡担当者から各自治委員に渡されます

ボランティアの皆さんに支えられて 「点字」や「声」で届ける広報

技術向上を目指しながら

 市は、視覚や聴覚に障害がある人にも広報紙を届けるため、「点訳版広報くるめ」と「音声版広報くるめ」を発行しています。制作を担うのはボランティアの皆さんです。研修などを繰り返し、正確で分かりやすい広報紙作りに心掛けています。
 点字や声の「広報くるめ」を支えている皆さんを紹介します。

 点訳版は「パソコン点訳コミュニケーションの会」の皆さんが担当しています。文章を点字に変換し、誤字脱字などをチェック。点字プリンターで印刷、製本し、利用者に郵送します。障害者福祉課や各総合支所、図書館、えーるピア久留米にも置いています。

 音声版は録音ボランティアの皆さんが、毎号順番で録音しています。「こだま」、「光の輪」、「コスモス」の3団体です。読み間違いがないか何度も聞き直します。「CD版」と「カセットテープ版」を作成し、利用者に郵送します。市ホームページでも聞くことができます。毎年、外部の講師を招いて講義を受け、質の向上を目指しています。

インタビュー 私にとっての広報くるめ

取材のヒントに

西日本新聞社久留米総局 平峰麻由さん
平成29年西日本新聞入社。平成30年久留米総局に赴任。今年8月から市政担当記者として活躍

久留米は情報の宝庫

 希望して久留米総局に赴任しました。本社で先輩記者たちが「久留米は面白い。読者との距離が近いよ」と言っているのを幾度となく聞いていたので。着任してみると、やはり皆さんからのネタの提供や問い合わせが多いんですよ。市民が地域に関心を持っている証拠ですね。
 久留米に来て3年目。知らないことばかりで広報くるめからネタを拾うこともあります。昨年11月15日号に掲載されていた住宅型有料老人ホーム「こがケアアベニュー」の記事に興味を持ちました。広報くるめでは伝えられないことを、もっと深く伝えられないだろうかと思い、取材を重ねて連載で取り上げたことも。同じ地域の情報を取り上げているので取材のヒントになります。
 広報くるめは、文章以外にも、イラストや写真などを効果的に使って、読ませる工夫をしていると思います。広報紙もですが、新聞に掲載されるのは「一生に一度あるかないか」という人もいます。記念でもあり、記録や思い出、証拠にもなりますよね。なので、しっかり取材して書きたいんです。

時間がたっても残る責任

 記者になった頃は、多くの人に情報が届けば、SNSもありだと思っていました。でも、たくさんの人と出会い、色々な話を聞く中で変わりました。記事を手帳に挟んでくれる人、「この記事良かったよ」と言ってくれる人、新聞が届くのを楽しみに待っている人がいます。発行したら、修正ができない紙だからこそ、記事に対しても本気で取り組むし、読む人の期待に応えられるものでなければならないと思っています。

たくさんの人と知り合えた

櫛原中学校1年 竹下希和さん

 「情報ほっとライン」で参加したいイベントを見つけたら、申し込みを忘れないように切り取ってカレンダーに貼っています。城島インガットホールであった子ども演劇を見て演劇が好きになり、シティプラザの「小松杏里くるめ演劇塾」にも参加しました。
 たくさんのイベントの中でも楽しかったのは、バードウオッチングや木琴作りです。初めて会う人ともすぐに仲良くなれて、LINE友達にもなっています。
 神社や遺跡に興味があるので、色々教えてもらいながら歴史や文化財スポットを回るイベントがあるとうれしい。新しい発見があったり、たくさんの人と知り合えたりしたので、広報くるめを読んでいて良かったと思います。裏表紙の「これ、知ってる!?」のネタも好きで、毎回楽しみにしています。

当時を振り返って

広報紙は市の「歴史書」

平塚武彦さん
19年間で一般職から主査、課長へ。広報担当職員で最も在職歴が長く、広報紙の歴史を見続けました

 昭和46年から19年間、広報紙の編集に携わりました。皆さんの温かい支援でどうにか全うできたことを、今でもうれしく思います。
 当時は、印刷が「活版」から「写植」へ変わるなど、社会のさまざまな分野で技術革新が進んでいました。広報に対する考え方もCMからPRへと変化。市民の皆さんとの対話を通じて作ろうという意識になっていった時代で、市民参加型の広報紙作りを目指しました。
そこで、タブロイド版から親しみやすいA4版へと形を変え、後に名称も「市政くるめ」から「広報くるめ」に。広報紙は、地域の姿を克明に記録する市の「歴史書」。
 今後、市民意識の多様化や情報技術の高度化といった社会変化の中でも、変わらず市民と行政をつなぐものとして、さらなる充実発展を願っています。

楽しみながら制作

議会事務局 新村利恵さん
平成21年1月15日号表紙「鬼夜」が、全国広報コンクール写真部門で入選3席となる快挙を成し遂げました

 今はデジタルカメラが全盛ですが、平成17年ごろは、まだフィルムカメラで、現像してみないと使えるかどうか分かりませんでした。表紙の撮影はいつもプレッシャーとの闘い。だからこそ「楽しむ」ことを意識して制作していました。作り手が楽しめない記事は、読む人もつまらないはず。皆さんにページをめくってもらえて価値があるんです。19年に巨峰開植をテーマに初の大型特集を企画。「一つの記事に8ページも使うなんて」と、周りからの反対もありました。
 でも、どうしても読んでもらえる広報くるめを作りたかったんです。田主丸の巨峰園にも通い詰めました。「今号は面白かったよ」と、声を掛けてもらったときのうれしさを覚えています。今は、広報くるめのいちファンとして、楽しく読んでいます。

市民と市役所の架け橋

地域福祉課 秋山太さん
7年間で合計167号、700を越える記事を作成。企画や写真、インタビューを得意とし、多くの大型特集を担当しました

 広報の仕事を始めた頃、全国広報コンクールの受賞作を見て、こんなにすてきな広報紙があるのかと衝撃を受けたのをよく覚えています。以降、「読みたくなる広報」を目指して必死に作り続けました。
 半年に渡り取材を重ねた認知症特集。県で1位に選ばれた号のものづくり特集、昨年11月の地域共生社会の特集。それぞれに大切な出会いがありました。特集だけでなく7年間で多くの人と出会い、私を知ってくれる人が増えるにつれてできる事は増え、やるべき事も見えてきました。市民の皆さんとの接点が広報活動の財産で、根っこだと私は思います。
 取材や制作を通して、そして紙面を通して「応援し合える関係」が増えることが大切。その力が広報紙にはあると信じます。市民の皆さんと市役所が、広報くるめを介してコミュニケーションできる「かけ橋」のような存在に育っていくことを願っています。

広報くるめのこれから

デジタルと融合

 多くの皆さんに情報が届くように、デジタル媒体を使った配信を行っています。市ホームページやFacebook、LINEを導入するなど時代の流れにあわせてデジタル化を進めています。広報くるめのQRコードからホームページへのリンクも。過去2年分の広報くるめも市ホームページで見ることができます。

財政記事の今昔

 広報くるめは、毎年必ず掲載する記事があります。市の財政状況や税金の使い方を知らせる「予算」「決算」です。見出しやグラフを使いながら、分かりやすくなるように、毎年工夫をしています。

覚えていますか?こんな記事

  • 【くるめんもん】平成19年7月1日から全33回シリーズ。旬の農産物、料理レシピを紹介
  • 【久留米ラーメン誕生80年】平成29年10月1日号。とんこつラーメン発祥秘話を紹介
  • 【4コマで描く聞こえない世界】平成30年11月15日号。聴覚に障害がある漫画家平本龍之介さんを紹介
  • 【夏休み特別号】平成4年7月15日号。イベント、おすすめ遊び場を紹介

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