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健康寿命を延ばす生活改善 大切な「フレイル」予防(令和2年8月15日号)

高齢者が長く元気に活動するために「フレイル」の予防が欠かせません。
栄養・口腔、運動、社会参加がフレイル予防の3本柱といわれています。
啓発を行っている福岡県歯科衛生士会の天本和子さんに話を聞きました。

自身の衰えに早く気付く

 フレイルとは高齢になって心と体の活力が低下した衰弱状態のことです。自立した生活ができる健康な状態から、介護を受けなければならない状態になる中間の段階に当たります。多くの高齢者はフレイルの時期を経て、徐々に要介護状態になっていくといわれています。身体的な衰えだけでなく、閉じこもりなどによる社会との隔たりや、鬱などの心の衰えも含んでいます。長く元気に過ごすためには、このフレイルにいち早く気付き、どのような生活を送るかがとても大切です。生活を改善すれば、健康な状態に戻ることも可能です。加齢は一律ですが、老化はそれぞれの生活などで変わってくるんです。
 フレイルになるきっかけの一つとして、退職があります。外出することがなくなって、家に閉じこもりがちになると、起きるのが遅くなったり、人と会うこともないから着替えをしなくなったり、歯磨きや入浴の回数が減ったりします。体を動かさなくなると、筋力が弱まるとともに、認知機能なども低下し、フレイルの状態になることもあるのです。

口の健康が予防につながる

 フレイルは口の健康状態の影響が大きいといわれています。歯の状態だけでなく口の筋力も関わりがあります。口の働きが低下すると柔らかいものしか食べられなくなります。栄養バランスが悪くなり低栄養になることも。そうすると、体の筋力も低下し転倒や骨折で要介護状態になる可能性が高まります。口の筋力の低下は発音しづらい、笑顔がつくれなくなるなど会話や表情にも影響を与えます。そうならないようにしっかりかんで食事をすることや会話・歌を楽しむ、1日2回以上の歯磨きなどの口腔ケアや定期的な歯科健診を欠かさないでください。

食事と運動の意識

 しっかりかむことができればいろんな食品を食べ、必要な栄養素をバランス良く取れるようになります。必要な栄養素は10品目の食品を食べることで取れるといわれています。肉、魚、卵、乳製品、油脂類、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類、芋類、果物を1日3食バランス良く取るように心掛けましょう。
 運動も筋力向上のため欠かせません。激しい運動ではなく、毎日体を動かす意識をしてください。家の周りの散歩や床拭き、モップ掛けなどの家事でも良いのです。

健康は人とのつながりから

 人と関わること、社会参加が一番重要です。人と会うとなれば、身支度をしますよね。外出は運動にもなります。そうして生活に張りが出てくるんです。地域のサークルやボランティアなどで生きがいを見つけるのも良いことです。しかし、今は新型コロナで外出を控えている人がみられます。家族や友人と電話やメール、手紙などで、できるだけ交流をしてください。
 一人一人が健康に関心を持って、フレイル予防を心掛けることで長く健康に生活ができるようになっていくはずです。

【問い合わせ先】長寿支援課(電話番号0942-30-9207、FAX番号0942-36-6845)

健康寿命と「フレイル」の関係

フレイルは健康寿命が終わりに近づいている状態です。早めにフレイルの兆候に気付き、適切な取り組みを行えば健康な状態に戻ることができる段階でもあります

主なフレイルチェック

  • 半年で体重が2〜3キログラム以上減少
  • 半年前に比べて固いものが食べにくくなった
  • 1週間に1度も外出しないことがある
  • 歩くのが前より遅くなった
  • この1年間で転んだことがある

1つでもチェックがある人はフレイル予防を意識する必要があります
(注意)後期高齢者健康診査の質問票を参考

老人クラブでやりがいを

老人クラブは地域の自主的な活動グループで、約1万8,000人の会員が活動しています。
将棋クラブやグラウンド・ゴルフなど趣味のサークルや地域の見回り活動、清掃活動などの社会奉仕をする人もいます。
加入している皆さんの多くが生き生きしています。ここで知り合った人たちと話したり、一緒に作業をしたり、好きなことに夢中になったりすることで、自然とやりがいが見つかり、日々の生活が豊かになっていくんだと思います。
顔を出せば人と関わり合える場所があるという安心感もあるのかもしれません。

気軽にお家で体操

【YouTubeで動画配信】
 高齢者の皆さんがフレイル予防を気軽に楽しみながらできるように「タオルDEこげんよか体操」を制作しました。毎日体操を続けて、健康寿命を延ばしましょう。

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