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久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(令和2年4月1日号)

市美術館のイベントや所蔵品などを紹介します。

19歳の若さで単身渡仏した、海老原喜之助

 鹿児島の商家に生まれた海老原喜之助は、少年時代から絵を描き始め、「美術学校に行きたい」と18歳で上京、19歳の時にフランスへ渡りました。パリでは藤田嗣治に深い薫陶を受け、やがて「エビハラ・ブルー」と呼ばれる、独特な青色を基調とした雪景シリーズで高い評価を得るようになります。
 「雪中猪」は海老原が27歳の頃、パリ時代に描いたものですが、他の雪景シリーズと同様に、実際に見た風景ではなく、想像で描いたものと推測されます。勢いよく駆ける猪の硬い毛並みや、雪をいただく木々の茂みを、パレットナイフで絵具を斜めに重ね、大胆かつ巧みに表現しています。海老原の絵は、寒色の青を用いながらも、素朴な暖かみがあるのが魅力です。
 会場では、画家たちが絵かきになることを意識した言葉も紹介しています。【学芸員:中山景子】

【問い合わせ先】久留米市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番号0942-39-3134)

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