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自治会に参加したら、 地域がもっと好きになる。ずっと住みたくなる。(令和2年2月15日号)

つながりがつくる地域の未来

 地域活動や自治会は、私たちの暮らしに欠かせないものです。中には、面倒だから関わりたくないと思う人もいます。子どもたちが健やかに育ち、誰もが孤独にならない地域をつくるために、私たちにできることがあります。
【問い合わせ先】地域コミュニティ課(電話番号0942-30-9014、FAX番号0942-30-9711)

暮らしを支える地域活動

 防犯灯やごみ集積所の維持管理、防犯パトロール、子どもたちの登下校の見守り、祭りや伝統行事。これらは地域住民の自主的な活動で成り立っています。その基盤となるのは、市内にある約670の自治会。町内会、区などとも呼ばれ、住みやすいまちをつくるための最も身近な自治組織です。隣近所に住む地域の皆さん同士で、助け合い、協力し合いながら、気持ちの良い日常生活を支えています。

担い手の高齢化進む

 各校区には、自治会や住民団体などと連携し、地域課題の解決やまちづくり活動の活性化に取り組む校区コミュニティ組織があります。近年、ライフスタイルやプライバシーへの意識の変化が背景となって、住民同士のつながりが希薄化。若い人の地域活動への参加が減っています。また、活動を担う人の高齢化や参加者を増やすための工夫が無いかなど、運営上の課題もあります。

地域と関わった若手の「生の声」を聞いてみた

違う立場の楽しさを知った

 子どもの小学校の入学を機に、山川校区に引っ越してきた祐本祐美さん。平成31年4月から体育委員になりました。

住むまちだから「知りたい」

 引っ越してすぐの時は、広報紙や回覧板がどうやって届くのか、地域のイベントがいつどこで開催されているのか、誰にも聞けずに不安を感じていました。そんな時、近所の人が「何か困っていることは無いね? 遠慮せずに何でも聞いてね」と優しく声を掛けてくれて、うれしかったのを覚えています。この地域を選んで良かったと思いました。それからは、自分が住む地域のことだから、もっと知りたい、私にも何かできることは無いだろうかと、自然に思うようになりました。

大変そう。でも違った

 小学校のPTA役員が終わる頃、校区の体育委員にならないかと声を掛けられました。友人からは「大変そう」と言われましたが、新しい地域でたくさんの人と知り合うきっかけになると思い、引き受けることにしました。校区で開かれるバレーボール大会や運動会の企画・運営、選手集めなどを担います。1人で全てをやるのでは無く、みんなで協力しながら、楽しくやっています。意外と大変ではありませんでした。

自分の提案を実現できる

 昨年まで運動会の案内は、知り合いの人だけに声を掛けていたそうです。以前住んでいた所では地域の情報が届かず、寂しさを感じていました。なので私は、地域の皆さんに知らせたいと思い、回覧板で呼び掛けることを提案。地域で何があってるのか知るだけで、安心することもあると思います。イベントに参加するのも楽しいですが、企画する立場になり、実行できたときの楽しさはまた違いましたね。これからも無理はせず、自分ができることをやっていきたいと思います。

やって駄目なら「次変える」

 市消防団第5分団に所属する楢原実規男さん。若い人の参加を増やすため「餅つきとマルシェ」を企画しました。

今までのやり方を見直す

 金丸校区の餅つきに、消防団員としてお世話役をしていました。ある時、地域の役員さんから「若い人に参加してもらうためには、どうしたらいいだろうか?」と相談がありました。何のための餅つきかを考えた時、これまでのように、ただ餅を配るだけではいけないと思ったんです。子どもたちに体験させて、伝統を残さなければいけないと。これまでイベントの運営をやってきた皆さんの協力もあるし、それならば、自分が新たな企画にチャレンジしてみようと思いました。

組み合わせで参加者も増加

 考えたのは「餅つきとマルシェ」の同時開催でした。校区内のお店にマルシェへの出店を依頼。お店は餅つきがあることをお客さんにPRする、地域の人にお店を知ってもらい、気軽に行くきっかけになる。お互いウィン・ウィンの関係になると思いました。結果、参加者も前年の約2倍に増え、会場の滞在時間も長くなっていました。もちろん、子どもたちも餅をつき、良い経験になったと思います。

やってみて分かることも

 当時を振り返ると、イベントの運営を3人でやったのも良かったのかも。何かを始める時は、大勢の意見を聞いたほうがいいと思いがちです。ただ、人が多いと、意見を調整する時間が増えます。逆に少人数だとスピーディーに進められ、今回も会議は3〜4回しかしていません。一度やって駄目なら、次から変えればいいんです。まずは、やってみることが大事です。地域には、今まで積み重ねた良い土壌があります。そこに、アイデアと行動が水や肥料になりさえすれば、より暮らしやすい地域になります。

これまで支えてきた世代が語る「自治会のこれから」私たちこそ、変わるべき

 46校区コミュニティ組織が集まって市校区まちづくり連絡協議会が組織されています。その中で、地域連絡部会長として活動する山口貴將さんは、幅広い世代が地域活動に関わることが最優先課題と言います。

誰でも参加できる環境を

 自治会活動を担う人の高齢化が年々、進んでいます。若い人たちにも参加してもらわなければ、活動を維持し、地域を発展させていくことはできません。役員になった人が、「何をやればいいのか分からないまま、任期が終わってしまった」と言う声を聞きます。そうならないように、誰がやってもできるものでなければいけません。今求められているのは、無理なく参加できる環境づくりです。

まずは関係を作ることから

 自治会の役員から「若い人たちが参加するためのアイデアは無いか」と相談を受けることがあります。若い世代は何かと忙しく、役員になっても会議に出られないことも。そんな時こそ「いっちょん来んね」ではなく「よう来てくれたね。来れる時でいいとよ」と言うようにしています。人はやらされていると思うとできないのです。いつかできる日がくるかも。関係を断ち切ると続きません。何かを変えたいのならば、私たちから歩み寄ることも必要です。

顔見知りだからこそ救える命がある

 阪神・淡路大震災で、約3万5000人が家屋の下敷きになりました。住民が助け出したのは、全体の77%に当たる約2万7000人。共助の重要性を表すデータです。

担い手の高齢化が進む

 国は「防災に関する世論調査」で、災害が起きたときに取るべき対応を調査しています。15年間の調査で、消防や自衛隊などが助ける「公助」を重視する回答は、4分の1に減少。一方で、自分の命は自分で守る「自助」と、地域や周りの人が互いに守る「共助」を重視する回答は2倍に増加しました。日ごろからの声掛けや、顔見知りの関係が薄いと、災害が発生したときに、安否確認や情報の伝達ができにくくなります。

安心して暮らせるつながり

 自治会や地域活動が無くなったら、道路や側溝にはごみが増え、防犯灯の明かりが消えても、そのまま放置されてしまいます。不審者や空き巣、ひったくりなど犯罪が増加するかもしれません。住民同士の交流も減り、孤立する人が増えることでしょう。安心して快適に地域で暮らすためには、日ごろからのつながりが大切です。まずは、自分が住んでいる地域を知ることから始めてみませんか。

成功事例こそ、活動の参考書

昔遊びで大はしゃぎ パルキッズ草野を開催

 草野校区は、さまざまな体験を通じて交流を深める「パルキッズ草野」を開催しています。この日、参加したのは子ども10人、久留米大学のボランティア6人、地域の老人クラブ11人です。地域の人は、地元の竹を使って竹とんぼ、竹鉄砲を作り、遊び方を教えました。子どもたちは道具が出来上がると「どうやって作ったと?」と、地域の人を質問攻めに。大学生ボランティアは一緒に遊んだり、道具の説明をしたりと大忙しです。幅広い世代と触れ合うことで、子どもたちは学校や家庭ではできない体験ができ、地域の人は子どもたちの成長を見守ることができます。

隣の校区はどうしてる? コミュニティ交流会を開催

 市校区まちづくり連絡協議会と市は、校区の役員、小学校のPTA、地域活動をしている団体の皆さんを対象に、意見交換会を開催しました。参加者57人は、「子どもたちにとって良い校区とは?」や「そのためには何が必要?」をテーマに、自分たちの校区で考えをまとめ、他の校区と情報を交換。同じテーマでも、やり方や考え方が違うことに気付きます。何かまねできることは無いか、別のやり方を取り入れたら、もっとできることがあるのではないかを話し合いました。最後は「そちらの校区に見学に行っていい?」と交流が広がりました。

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