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第48回 くるめ学生通信(令和2年2月1日号)

大学生が、久留米市の仕事を取材し、発信するシリーズです

学芸員さんの仕事って?

今回の記者=久留米信愛短期大学(1年)宮原菜々花さん

 久留米市美術館では、いろんな企画展が開催されていることを知りました。学芸員さんはどのように企画や準備をしているんだろう。学芸員の佐々木奈美子さんに話を聞きました。

美術館ってどういう役割があるのですか?

 博物館法では「美術品を収集し、保管し、展示する場」が美術館だと定義されています。その手助けをするのが学芸員です。「収集・保管」と「展示」は相反するもの。大切な作品を展示することは、劣化や損傷につながるからです。
 それでも、良い作品をたくさんの人に見てもらい、それぞれの気付きになってほしいんです。年代など立場の違う人たちが作品を通じて、過去や未来の人と、時空を超えて結び付くことができるのが、美術館の大きな魅力です。

作品を扱う時に気を付けていることはありますか?

 作品に合う環境を整えることを常に意識しています。会場の温湿度や照明の明るさを細かく調整して、劣化を最小限にします。運ぶ時にも傷が付かないように、作品よりかなり大きな箱に緩衝材を詰めるなど細心の注意を払います。

美術館の展示の企画ってどうやって決めるんですか?

 企画で最も大切にしていることは、来てくれた人にとって、何か一つでもプラスになって帰ってもらうこと。楽しい、面白い、勉強になるなど何でもいいんです。
 作品の特色はもちろん、流行やニーズとのバランスを見て内容を決めています。さまざまなジャンルの作品の展示ができるように、他の美術館などと調整して進めます。

保管作品はどのくらいあるんですか?

 現在、市美術館には石橋財団などから預かっている約300点と、新しく収集した116点があります。これからも、久留米や九州などゆかりのある作家の作品も集めていきます。より多くの人が作品に触れる機会を作っていきたいですね。

娯楽が多様化して手軽な楽しみがあふれている今、あえてお金を払って、足を運び「本物」に触れることを大切にしている美術館や博物館。今回の取材で私自身も含めて、若い世代でも、楽しみながら学べるたくさんの工夫を知ることができて良かったです。

【問い合わせ先】広報戦略課(電話番号0942-30-9119、FAX番号0942-30-9702)

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