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シリーズ みんなで生きる みんなが活きる第5回(令和2年12月15日号)

進む取り組みから、地域共生社会実現の視点を考える

地域活動の担い手を確保

江上憲一さん
「1日10人以上と会う。100歳まで活動する」などの目標を掲げ、iPad講座を開いたり、認知症サポーターになったりと幅広く精力的に活動。今年80歳。

後継者不足を実感。経験生かし人材発掘

 江上憲一さんは認知症対策をはじめ18の団体で活動しています。中でも市民の地域デビューを後押しする「地域活動応援塾・くるめ」が活動の中心です。退職後、自治会活動に取り組む中で、役員などがなかなか交代できないという現実に直面。地域の後継者不足を実感しました。「会社員時代に人材育成を担当した経験から、良い組織はきちんと人材を育てていることを知っています。それが活動の原点」と話します。
 江上さんは現役を引退した人の力を大切にします。「引退したばかりの人は人間関係に疲れている人も多い。でも仲間ができれば、素直にうれしい。誰かと常に触れ合うことで、知らないことにも出会えますし。そうした先に、行動が変わるのだと思います」。

100歳まで活動を。身近な地域で支え合いたい

 9月18日に開催された応援塾のテーマは「オンラインを活用した居場所づくり」でした。オンラインを生かした市民活動に取り組む団体から講師を迎え、実践事例や各地域で広がる活動を紹介。「コロナ禍でほとんどの地域活動がストップ。新しい生活様式の中での居場所を考えるとき、オンラインは欠かせない」と江上さんは考えています。最近では、江上さんにiPad講座やZoom講座をやってほしいと校区からの相談が相次いでいます。「高齢者はどんどん行動範囲が狭くなり、人と会うことすら難しくなっていく。災害時の避難にしても時間がかかる。高齢者にこそITは必要なのです」。
 幅広い分野で活躍する江上さんが描く活動の理想形は、意外にも身近な場所で小さく活動すること。「最終的にはそれが望ましいと、最近思うようになりました。誰でも年を取ると動ける範囲が狭くなるから、自分の住むエリアで小さな活動をする人が増えるのが理想だと思っています。そのためには、もっと担い手を発掘していかないと」。100歳まで地域活動することを目指す江上さん。20年後、仲間と進める活動が、人々をはじめ久留米にどのような変化をもたらすでしょうか。

【問い合わせ先】地域福祉課(電話番号0942-30-9175、FAX番号0942-30-9752)

この事例はどれ?地域共生社会に向けた取り組み13の視点

地域共生社会の実現のために、13の取り組みの視点があります。掲載した取り組み事例がどれに当たるかを、星マーク★マークで示しました。

地域共生社会に向けた取り組み13の視点

  1. つながりの構築
  2. 見守り活動の推進
  3. 誰もが集える場の拡充
  4. 個別対応が必要な人への支援
  5. 災害時要支援者への支援
  6. 権利擁護の推進
  7. 多機関連携の推進
  8. 財源確保の推進
  9. 星マーク★地域における人材の育成
  10. コミュニティーなどへの支援
  11. 事業者などの地域貢献の促進
  12. 福祉人材の養成と資質の向上
  13. 福祉の理解を深める取り組み

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