トップ > 広報くるめ > 耕作放棄地を再利用 6次産業化商品として販売
高齢化などで後継ぎがなく、土地が荒れて、作物を作れない耕作放棄地が年々増えています。ソバを植え、6次産業化商品として販売に取り組む人たちがいます。
耕作放棄地は、雑草や雑木が生い茂り、耕作がされていない農地のことです。病害虫が発生し、ごみの不法投棄や火災につながることもあります。拡大が全国的な課題となっています。
久留米市では、毎年農業委員会と一緒に現地調査を実施しています。平成27年の耕作放棄地の面積が98.2ヘクタール、昨年度が104.3ヘクタールと緩やかですが、増えています。今後も、農業者の高齢化や労働力の減少が原因で、耕作放棄地が拡大していくことが予想されます。
山本・草野地区でも、耕作放棄地が発生していました。
農事組合法人山辺の里代表の高良幸夫さんは、耕作放棄地を借り、手入れをしています。平成20年度から、比較的手間がかからず生産できるソバを試験的に作付け開始。少しずつ面積を広げて、現在は18ヘクタールになりました。昨年は、約20トンのソバを収穫。採れたソバは、そば粉や乾麺に加工して、道の駅くるめやJAくるめ、地場産くるめなどで販売しています。市は、耕作放棄地を解消するために、認定農業者や集落営農組織などの担い手が行う再生利用活動経費の一部を補助しています。
【問い合わせ先】農政課(電話番号0942-30-9163、FAX番号0942-30-9717)
6次産業化とは、1次産業に当たる農業者が、2次産業に当たる食品加工と、3次産業に当たる流通・販売全てに取り組むことです。地域資源を活用した新しい商品などを生み出しています。
農産物の6次産業化商品は、加工することで農産物の価値を上げることができます。価格の変動も小さく、収入が安定。生産から加工、流通・販売までを行うことで、地域での雇用も生まれ、まちの活性化にもつながります。
市は6次産業化を行う農業者や農業団体などに対して、商品開発や販路拡大、商品改良にかかる経費などの一部を補助しています。
【問い合わせ先】農業の魅力促進課(電話番号0942-30-9165、FAX番号0942-30-9717)
農業者が自ら生産した農産物は1次産業(1)、加工や商品開発は2次産業(2)、流通や販売は3次産業(3)。
1×2×3=6
この数字を掛けて6次産業化といわれます。
農事組合法人
山辺の里代表理事
高良幸夫さん
「作物ができる土地があるのに、もったいない。どうにかしないと」という思いから、ソバを植えることにしました。ソバを選んだ理由は、さほど手間がかからないことと、花が咲くことで町の景観を守れるという点です。
最初は手探り状態でした。土地を乾燥させたり、土壌の養分バランスを整えたりといったことから始めました。5年ほどかかってやっと軌道に乗り始め、加工麺を販売するまでに。市の特産品としてふるさと納税にも採用されました。久留米の味を全国に届けられることや活動が認められたことを喜んでいます。もっと広めたいという思いから、農業まつりのそば打ち体験なども行っています。平成27年に「山辺の里」として法人化し、従業員も2人から8人に。最近では多くの方から、自分の土地も使ってほしいとの相談が増えました。農業従事者や後継者が少なくなっている今、耕作放棄地を解消し、さらに増やさないために、今後も頑張っていきたいと思います。
(注意)道の駅くるめなどで、この他にもたくさんの6次産業化商品が販売されています
Copyright 2007 Kurume City All Rights Reserved.