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久留米市の財政状況と今後(令和2年11月1日号)

健全財政の維持を目指して

 令和元年度決算の結果、経常収支比率は99.9%と財政状況が厳しさを増しています。課題と今後について解説します。

経常収支比率の状況

 久留米市の経常収支比率は、平成30年度の95.9%から令和元年度は99.9%と4ポイント悪化しました。平成30年度は、中核市平均よりも3.7ポイント高くなっています。中核市の多くは、県庁所在地や大都市圏にあり、産業構造や事業所数で有利な状況に。久留米市は、歳入に占める市税の割合が他より低く、平均の約4割に対して本市は約3割です。構造的な厳しさを抱えているともいえます。

集中した建設事業

 合併した平成17年以降、有利な財源である合併支援措置や国の経済対策を積極的に活用し、新市建設計画に基づいた久留米シティプラザや宮ノ陣クリーンセンターの建設、普通教室への空調整備などを実施しました。これらの建設事業の財源として活用した多額な市債の返済による公債費の増加や、同プラザの毎年の収支差約6億円などが、経常収支比率を引き上げた大きな要因になっています。
 長期的な視点で財政に与える影響を考え、税収の確保や、非効率の解消に、より一層取り組むべきだったとの指摘もあります。機能や目的が重複する施設も存続し、合併による国の財政支援措置の終了までに最適化が必要でした。決算審査報告などを踏まえ、これらの課題に真摯に取り組んでいるところです。

健全化判断比率は良好

 地方債残高の推移を見てみると、地方交付税の代替措置である臨時財政対策債が増加し、建設地方債が減少しました。経常収支比率が悪化しても、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく4項目の健全化判断比率のうち、実質公債費比率と将来負担比率については、平成20年度の制度開始以来、国の基準や中核市の平均値を大幅に下回っています。今のところ、財政の健全性は良好であるといえます。

今後に向けて

 少子高齢化の進展による扶助費や特別会計への繰出金、公債費の増加などで、財政の硬直化が進行し、新たなサービスに取り組む余地が少なくなっています。一方で、感染症対策や豪雨災害への備えをはじめ多くの課題があります。
 現在、企業誘致や市街地の再開発、駅周辺の開発許可制度の見直しなどを行い、税収の増加に取り組んでいます。併せて、市債の借り入れを抑制し、公債費負担を低減させるなど、経費の削減も進めていきます。さらに、行政のデジタル化や公共施設の最適化などの行政改革を推進し、市民の皆さんの理解を得ながら健全財政の維持に努めていきます。

【問い合わせ先】財政課(電話番号0942-30-9117、FAX番号0942-30-9703)

健全化判断比率(%)

指数=実質赤字比率(一般会計などに生じている赤字の大きさを、市が自由に使い道を決めることができる収入の大きさ(標準財政規模)に対する割合で表したもの)
平成29年=-
平成30年=-
令和1年=-
早期健全化基準(この基準を超えると注意)=11.25%
財政再生基準(この基準を超えると危険)=20%


指数=連結実質赤字比率(公営企業である上下水道事業を含む市の全会計に生じている赤字の大きさを、標準財政規模に対する割合で表したもの)
平成29年=-
平成30年=-
令和1年=-
早期健全化基準(この基準を超えると注意)=16.25%
財政再生基準(この基準を超えると危険)=30%


指数=実質公債費比率(借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを指標化した数値で、資金繰りの程度を示す指標)
平成29年=3.6%
平成30年=3.3%
令和1年=3.4%
早期健全化基準(この基準を超えると注意)=25%
財政再生基準(この基準を超えると危険)=35%


指数=将来負担比率(将来支払っていく可能性のある負担の、現時点での残高を指標化した数値で、財政を圧迫する可能性を示す指標)
平成29年=26.5%
平成30年=27.9%
令和1年=32.5%
早期健全化基準(この基準を超えると注意)=350%


(注意)「実質赤字比率」「連結実質赤字比率」の「-」は、赤字が生じていないことを示しています

一般会計市債残高の推移

平成27年度 1,440億円
平成28年度 1,425億円
平成29年度 1,450億円
平成30年度 1,443億円
令和1年度 1,419億円

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