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久留米広域消防本部に「津波・大規模風水害対策車」を初導入(令和2年10月15日号)

災害救助に新しい力

 全国各地で自然災害が多発しています。久留米市も3年連続で大雨に見舞われ、浸水被害が発生。大規模災害に立ち向かうには、消防署域を超えた活動が必要です。新たな機材を導入し、高度な人命救助に取り組む久留米広域消防本部を取材しました。

都道府県を越えた災害救助

 久留米広域消防本部は、久留米市、大川市、小郡市、うきは市と大刀洗町、大木町の4市2町を管轄しています。消防署は久留米、三井、浮羽、三潴、大川の5カ所。災害が発生したら、まず消防署単位で救助活動を開始します。消防本部はリアルタイムで出動状況を確認しながら各署に指示を出し、被害の大きい所へ応援部隊を動かすなど臨機応変に対応しています。今年7月の豪雨では、家から避難するのが遅れ、浸水で孤立した人の救助が主でした。
 近年、大規模自然災害が続き、全国で災害救助体制の強化が急がれています。被災地の消防機関だけでは対応できない大規模災害に備え、消防を県単位でまとめた「緊急消防援助隊」が組織されています。消防本部もこれまでに福岡県部隊として東日本大震災や熊本地震など多くの災害現場で救助活動を行ってきました。昨年、土砂災害や風水害に対応する新たな部隊が創設され、消防本部も登録。激しさを増す災害に対応する体制が強化されました。

活動を広げる新たな配備

 今年の8月、消防本部に「津波・大規模風水害対策車」が配備されました。水陸両用バギーやライフジャケットなど、救助に欠かせない資機材を搭載。救助にかかる時間の短縮や能力の向上が見込めます。平成30年7月豪雨の発生で消防庁が新しい装備の意向を調査。消防本部は浸水地域での人命救助や土砂災害への対応と、県外への応援出動も想定して、迅速に行えるよう配備を希望しました。
 消防本部はドローンを使った救助活動も行っています。被災地に飛ばし、上空からいち早く状況を確認します。赤外線で温度を感知して、遭難者を見つけることもでき、上空で止まることで目印になります。撮影した動画は記録して、次の救助活動に生かします。新しい装備で救助の幅を広げ、皆さんの命を守っていきます。

【問い合わせ先】久留米広域消防本部救急防災課(電話番号0942-38-5158、FAX番号0942-38-5172)

早めの行動を意識して

 災害時の心構えについて高度救助隊の秋山寛次さんに聞きました。

 久留米消防署の観測で7月豪雨の雨量は786ミリメートル、平成30年の709.5ミリメートルを超えました。にもかかわらず、通報件数は平成30年の240件に対し、今年は111件と大幅に減少。皆さんの意識が高まっている結果かもしれません。消防本部は新しい機材の導入で迅速化に努めてますが、毎年のように大規模災害が発生し、今までの消防救助では助けられなくなる可能性もあります。命を守るために「自助」の意識を持って早めの行動を取ってほしいです。

28の消防分団に救助用ボート配備

 久留米市には43の分団があり、1,497人の消防団員がいます。消火活動以外にも台風、豪雨など自然災害時での救助活動も行います。平成24年の九州北部豪雨では、市内の広範囲が浸水。地域の人からの救助要請から救出活動までに時間がかかっていました。現在、筑後川洪水ハザードマップで浸水が想定される地域の28の分団に組み立て式救助用ボートを配備。消防署と連携しながら、迅速な救助活動を行っています。

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