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第43回 じんけんの絆(令和元年9月15日号)

「知らない」は当たり前

 ボランティアで外国人に日本語を教える「日本語支援むつもん教室」。さまざまな国の人と接する中で、気付いたこと、感じたことなどを代表の岡野祐子さんに聞きました。

幅広い人たちに日本語を

 ボランティアをする前は日本語学校で教えていました。65歳からは日本語支援ボランティアをしようと思っていて、実際には70歳を過ぎてから活動を始めました。
 最初は中国人の中学生2人に、学校の授業についていけるよう、教科書などを解説していました。すると、口コミなどでその家族や友人に広がっていき、現在は中国やフィリピンなどの中学生から社会人まで、約40人に日本語を教えています。日常のあいさつから日本語能力試験を目指すレベルまで、個人に合わせて指導しています。

日ごろの悩みを聞いて

 教室に来ている人から相談を受けることもあります。日本について知らないことが多いため、子どもから「これ知らないの?」と言われて、悩んでいるということでした。そんな時は「日本で生まれ育っていないから、知らないことがあるのは当たり前。子どもから教えてもらってもいいんじゃない?」とアドバイスすることもありました。
 バスの運賃の支払いでお釣りが返ってこないと戸惑う人も。日本人の多くが知っていることでも、外国人には分からないのです。

外国人も地域の一員

 活動を通して感じることは、国や地域ごとの文化、習慣の違いが、私たちが思っている以上に日常生活に影響しているということです。授業の欠席一つ取っても、国によっては連絡せずに休むことや、雨が降ると休むのが普通のところもあります。他には、親しくなると、あいさつやお礼を言わなくなる文化があるところもあるので、違和感を感じるかもしれません。
 日本には直接、言葉にして伝えずに空気を読む文化があります。しかし、外国人がそれを理解するのは難しいんです。もし日本の生活ルールが分からず、困っている外国人がいたら、周りの人たちで教えてあげてください。ルールを共有できると自然にあいさつや会話をする機会も増えて、次第に地域の一員として生活できるようになっていきますからね。
 ここは日本だからと外国人ばかりに押し付けるのではなく、日本人も異文化への理解を深めていくことが大切です。そしてお互いに助け合えるような関係になってほしいですね。

【問い合わせ先】観光・国際課(電話番号0942-30-9137、FAX番号0942-30-9707)

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