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住みやすさ日本一に向けた「都市づくりプロジェクト」(令和元年9月1日号)

住宅や店舗を駅周辺に誘導

 久留米市は「住みやすさ日本一」のまちへの取り組みを検討する「都市づくりプロジェクト」を庁内に設置しています。議論を重ね、取り組みの原案がまとまりました。来年度に施行予定の計画や基準見直しに向けて、皆さんの意見を募集します。

都市と郊外、開発と抑制 メリハリのあるまちに

三つの施策がスタート

 近年、さまざまな場面で話題になる「人口減少」は、私たちに悪影響をもたらします。人が減ると商店や病院などが無くなり、まちの活力やにぎわいが低下。郊外の集落では、コミュニティーが維持できなくなり、災害時の不安も増します。バスや鉄道の減便や廃止など、暮らしの基盤が崩れ、さらに人が減るという悪循環が生じます。
 久留米市は、こうした課題に対応し「住みやすさ日本一」のまちを実現するため、今年度から三つの施策を進めます。「都市計画マスタープランの見直し」、「土地利用誘導方針の策定」、「開発許可等の基準に関する条例の改正」です。

マスタープランを見直し

コンパクトシティーを目指す

 市は、平成24年に「都市計画マスタープラン」を策定。約20年後のまちの姿を描き、それを実現する整備方針などを定めました。
 目指す姿は「コンパクトな拠点市街地の形成と拠点をネットワークする都市構造」。中心市街地に高度な医療機関や金融機関、商店などを集め、利便性の高い地域をつくります。また、立地面で恵まれた駅周辺などに地域ごとの生活拠点を作り、それらを公共交通などで結びます。人口が減っても住みやすさを持続することを想定した都市の姿です。

時代に応じ取り組みを追加

 マスタープランは策定から時間がたっているので、時代に合わせて新たに進めるべき取り組みを加える必要があります。一つ目の施策の「プランの見直し」はコンパクトシティーの実現のため、新たな地域を生活拠点に加えたり、土地の使い方のルールを新設したりしています。

誘導方針を策定

既存の集落は維持

 マスタープランで新たに進めるべき取り組みの中で力を入れるものの一つが、「駅周辺などに建てる建物の種類や用途の制限の見直し」です。そのために今年度に策定するのが二つ目の施策「土地利用誘導方針」。まちを形作る上で基礎となる「土地の使い方」を適切に誘導するための実行計画です。
 中心市街地や駅周辺に、生活の利便性を高める施設や機能を誘導します。郊外で既に生活集落ができている地域は、その維持に必要な施設やサービスを確保します。それ以外の地域は、自然環境を保ちつつ、なるべく都市化を抑え、メリハリのあるまちを目指します。
 そのため、「市街地」と「市街地外」にエリアを分け、それぞれに誘導方針を整理しています。市街地では、居住エリアや商業・工業エリアなど「用途地域」の見直しの他、高度な医療機関や大規模商業施設など、公共の利便性が大きく増す施設を誘致できる「特定用途誘導地区の導入」などを明記。人や機能の密度が高い地域にします。

駅周辺の優位性を生かす

 方針の中で、市街地外の取り組みとして掲げているのが「駅周辺での拠点形成」。コンパクトシティーの実現に必要な取り組みなので、優先的に実施します。このため、来年予定しているのが「開発許可等の基準に関する条例の改正」。プロジェクト三つ目の施策です。
 駅の周辺にも、立地面での優位性を生かせていないエリアがあります。駅周辺に住居やまちの機能が集まりやすいように、開発を抑制している条件や規制を緩和します。

駅周辺500メートルで緩和 来年の施行を目指す

開発許可制度基準を見直し

時代に合わせて見直し

 旧4町を除いた地域には、都市化を進める「市街化区域」と、都市化を抑制する「市街化調整区域」が設定されています。
 市街化調整区域では、住居や店舗を建てたり、盛り土で土地の形状を変えたりする「開発行為」が長年厳しく制限されてきました。その結果、郊外の集落の維持が課題となっていたのです。そこで、家を建てるときの条件を緩和し、既存集落の維持に努めるなど、これまでも時代に合わせて開発許可制度を見直してきました。

11駅を対象に選定

 駅周辺の活性化などを進めるために、来年に予定している制度の見直しは、あらゆる開発に制限がかかっている市街化調整区域に対して行います。区域内で一律の基準を、「駅周辺地」と「駅周辺地以外」に分けます。
 制度見直しの対象駅は11駅。JRの荒木・御井・善導寺・筑後草野駅と、西鉄の宮の陣・津福・安武・大善寺・五郎丸・学校前・古賀茶屋駅。各駅を中心として半径約500メートルのエリアを駅周辺地に設定します。

農地法上の手続きは必要

 見直しの内容は、駅周辺地での住宅や店舗の建設といった用途制限の緩和などです。住宅や商店などの開発をしやすくすることで、暮らしやすさの向上や住居・施設が集まるのを後押しします。一方で、大幅な緩和は地域の環境や将来のまちのあり方に関わってくるので、駅周辺地の開発は、市との事前協議や周辺住民への説明が必要となります。なお、農地法に基づく農地転用などの手続きは、これまで通り必要です。
 この見直しは、市議会の意見を聞きながら進めていきます。

【問い合わせ先】都市づくりプロジェクト(都市計画課内、電話番号0942-30-9083、FAX番号0942-30-9714)

ポイントは「拠点化」

 人口減少が進んでも、持続できるまちであるためのポイントは「拠点づくり」です。
 今回の見直しや方針の策定、開発許可制度の見直しは、あくまでもその第一歩。市全域で均衡の取れた発展ができるように、これからさまざまな見直しをしていく予定です。
 マスタープランにはさまざまな取り組みを盛り込んでいます。でも、それをすべてすぐに実施できるというものではありません。その時々の社会情勢を見極めて、必要な手法を検討し続けていきます。
 20年後のまちのために今から動くことが大事。大きな動きは、きちんと皆さんにお伝えします。市民の皆さんもこうした動きに興味を持ってもらい、一緒にまちをつくっていきたいと思っています。

「市街化調整区域×11駅周辺約500メートルエリア」ここが変わる

【道路を造って分譲住宅地が開発できる】

 住宅を建てられるのは、4メートル以上の幅の道路に面している土地です。これまでは独自に道路を造れなかったため、道路沿いにだけ住宅が並び、その奥の土地を活用できないケースがありました。今回、道路が造れるようになったことで、大きな土地に道路を通し、複数の住宅を建設。分譲販売する宅地の開発が可能になります。

【幹線道路以外で店舗OK、敷地面積の上限も無し】

 これまで飲食店やコンビニ、事務所などを建てる場合は、国道や県道など指定された幹線道路沿いで、敷地面積1,000平方メートル以下という制約がありました。この見直しで、幹線道路に面している必要がなくなり、敷地面積の上限も撤廃。広い敷地が必要なドラッグストアなどを建てられるようになります。

【建て売りや賃貸用の戸建て住宅がOKに】

 これまでは、自分が住むための住宅しか建てられませんでしたが、この見直しで、販売用や賃貸用の住宅を建てられるようになります。ただし、アパートやマンションなどの共同住宅は建てられません。

【イエローゾーンも除外区域に追加】

 レッドゾーンである「土砂災害特別警戒区域」は開発許可の除外地域。いかなる場合も開発ができません。
 今回の見直しで、イエローゾーンといわれる「土砂災害警戒区域」を除外地域に追加。災害の恐れのある場所の開発を抑え、安全安心なまちにつなげます。

【住宅が大幅に建てやすく】

 現在、家を建てるとき、隣の家の敷地から50メートル以内で、50戸以上の建物がつながっている場所にしか建てられません。この条件を無くし、飛び地的な場所にも建てられるように。土地の有効活用につながります。ただし、4メートル以上の幅の道路に面していない場所に建てることはできません。

パブリックコメント 意見を聞かせてください

パブリックコメントとは、久留米市の基本的な政策や条例、計画などを作る過程で、趣旨や内容を広く市民の皆さんに公表し、意見を求め、それらを考慮して案の作成を進めていく制度です。
今回、次の案件について意見を募集します。
募集期間は、9月9日(月曜)から10月10日(木曜)(必着)まで。提出方法は氏名、連絡先、意見を書いて持参、郵送、ファクス、電子メールで提出。
各案は、募集期間中に各問い合わせ先、本庁舎1階行政資料コーナー、各総合支所、各市民センター、えーるピア久留米、中央図書館、市ホームページなどで見ることができます。

  • 都市計画マスタープランの見直し
  • 土地利用誘導方針の策定

【問い合わせ先】都市計画課(〒830-8520住所記入不要、電話番号0942-30-9083、FAX番号0942-30-9714、電子メールアドレスtoshikei@city.kurume.fukuoka.jp

  • 都市計画法に基づく開発許可等の基準に関する条例等の改正案

【問い合わせ先】建築指導課(〒830-8520住所記入不要、電話番号0942-30-9089、FAX番号0942-30-9743、電子メールアドレスkensi@city.kurume.fukuoka.jp

 提出書類などは返却しません。個人情報は、市個人情報保護条例に基づき適正に管理します。なお、意見を出した人への個別の回答はしません。

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