ファミリー・サポート・センターは子育てを助け合う仕組みです。活動の中で見える子どもの人権について、同センターを運営するNPO法人ル・バトー代表の吉岡マサヨさんに聞きました。
ファミリー・サポート・センターは、生後3カ月から小学生までの送迎や一時預かりなどを行います。登録制で、手伝ってほしい「おねがい会員」と手伝いたい「みまもり会員」を私たちがつなぎます。
私が16年活動を続けてきてつくづく感じているのが、「保護者が安心して生活できる環境を整えることが子どもの人権を守ることにつながる」ということ。
例えば保護者が、うつ状態だったり、DVを受けていたりなど深刻な事情を抱えているケースがあります。そのために生活が昼夜逆転したり、家事ができなくなったり、保育園への送迎ができなくなったり。ついには育児放棄に至ってしまうこともあります。そうなると、子どもが良好な養育環境で安全に育つという権利が侵害されてしまうことにつながるのです。
一方で、保護者が我が子に過剰な期待と負担をかけてしまうことがあります。
センターの利用で多いのは、習い事の送迎のお願い。多くの子どもたちは楽しそうに通っているのですが、中には本人が望んでいなかったり、保護者の期待に応えなければというプレッシャーを感じたりする子どもも居ます。直接接するみまもり会員からそのような報告を受けると、切なくなることもありますね。
みまもり会員は、子どもの様子を観察し、保護者と密にコミュニケーションを取っています。もしかしたら、子どもたちにとって、みまもり会員は自分をさらけ出してほっとできる存在なのかもしれません。
センターの支援を受けるには登録や若干の費用も必要。知らなかったり、いろんな事情があったりして、そこまでたどり着いていない家庭も、まだたくさんあると思います。しかし、やはり理想はすべての子どもたちに、安全で大事にされていると思える場所があることだと考えます。かつて、近所の家でよその子どもを預かるのが当たり前だったように、地元で子どもたちを見守り育てるという意識を、市民一人ひとりが持てたらいいですね。
【問い合わせ先】子ども政策課(電話番号0942-30-9227、FAX番号0942-30-9718)
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