トップ > 広報くるめ > がん検診、特定健康診査を受けましょう

がん検診、特定健康診査を受けましょう(令和元年8月15日号)

進化し、寄り添う けんしん

 長く元気に過ごすためには、がんや生活習慣病を早く見つけて正しく対処することが何より大事です。がん検診で新たに始まる胃内視鏡検査について専門医に、特定健康診査の必要性について担当保健師に話を聞きました。

早期治療のために

市胃内視鏡検診運営委員会 副委員長
戸次クリニック 院長 戸次史敏さん

内視鏡という選択

 がんは治療法が進歩しているにもかかわらず、いまだに病気による死因の第1位です。早めに発見しないと、命に関わる病気であることに、昔も今も変わりはありません。リンパ節に転移すると治療も難しくなりますから。
 がんの死亡数のうち第3位の胃がんの検診は、今まで集団検診でのX線検査のみでしたが、今年から個別検診で胃カメラによる内視鏡検査も選べるようになり、これでより早く正確な診断ができます。
 X線検査は、飲んだバリウムが触れた部分を投影して、胃の写真を見て調べます。しかし、バリウムが胃から腸に流れてしまったり、胃全体に付かなかったりすると、隅々まで正確に見られないことがあるんです。
 対して、内視鏡検査はカメラで直接胃の内壁を見るので、見落とす可能性がぐっと下がります。それに、がんの疑いのある部分を見つけたら、その場で一部を切り取り、詳しい検査をすることができます。カメラを体内に直接入れるので、食道なども一緒に確認できますし、X線では分からない、他の病気を発見することもできます。

徹底したダブルチェック

 市のがん検診では、見落としがないように、肺がんや乳がん、胃がん検診のフィルムや画像を、別の専門医が再確認するダブルチェックを徹底しています。実際に、検査ではただの胃潰瘍に見えたのが、ダブルチェックをした結果、胃がんだったこともありました。

自覚症状が無い時こそ

 がんは異常を感じた時にはかなり進行しています。致死率も上がり、治療にも時間がかかります。しかし、早期のがんは治療により発症後の5年生存率が90%。自覚症状が無い時にこそ検診に意味があるのです。

生活習慣は変えられる

特定健康診査と特定保健指導を担当
健康推進課 保健師 木原将斗さん

体の状態を知る

 生活習慣病は、その名のとおり運動不足や過度なストレス、食生活の偏り、睡眠不足など生活習慣の乱れが原因です。多くは痛みなどの自覚症状が無いため、つい放置しがちです。
 健康づくりは毎年の特定健診で体の状態を知ることから始まります。特定健康診査は生活習慣が表れやすい腹囲、血圧、血液、尿などの検査を行います。
 国は特定健診受診率の目標を60%としていますが、市の29年度の受診率は35.5%にとどまっています。一人でも多くの人に受けてもらうために、受診料の無料化や、医師・スタッフ全員が女性の「レディースデー」の拡充、集団健診のインターネット予約システムの導入など、さまざまな工夫を行っています。

受けた4割が目標達成

 特定健診の結果、生活習慣の指導が必要と診断されたら、必ず受けてほしいのが特定保健指導です。腹囲が男性85センチメートル以上、女性90センチメートル以上で、血糖、血圧、脂質に異常が見られる人、喫煙習慣がある人が対象です。
 まずは、健診結果を確認し、生活習慣の問題点などを医師や保健師とチェック。その人の生活スタイルに合った健康づくりの計画を一緒に考え、自分で3カ月後、6カ月後の目標を決めて取り組みます。保健師が経過を確認し、適切に助言。共に目標達成を目指します。
 取り組みはそれほど難しいものではありません。いつも食べているご飯を3口分減らしたり、ジュースをお茶に代えたりと、簡単な方法で改善はできます。実際、保健指導を受けた人の約4割が目標達成できています。保健指導を活用し、いつまでも健康でいられる習慣を身に付けましょう。

がんを数字から見る

 平成28年にがんで死亡した人は全国で37万2986人。全死亡者数は130万7748人なので、3人に1人ががんで死亡しています。
 死亡率は男女共に60歳代から増加し、女性より男性がその傾向が顕著です。また、男性の前立腺がん患者数も急増。来年から5年間の推計で、12年と比べて患者数が5.8倍、死亡者数は1.8倍になると言われています。乳がんや子宮頸がんなどの女性がんは20代でも発症することも。性別、年齢に関係なく、定期的に検診を受ける必要があります。

40歳以上のがん患者数約97万人

40〜49歳5.5%
50〜59歳9.7%
60〜69歳24.5%
70〜79歳30.5%
80歳以上27.8%

生活習慣の乱れに注意

 生活習慣病とは、日々の生活習慣が発症や進行に関わる病気とされています。食事や飲酒、運動、睡眠などの生活習慣が乱れると、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常といった危険因子となって表れてきます。
 生活習慣病は、知らず知らずに進行しがちです。危険因子の数が増えていくと、徐々に血管の老化である動脈硬化が進んだり、肝臓、腎臓の機能が低下したりします。その結果、ある日突然、命に関わる心筋梗塞や脳卒中などを発症します。

危険因子数と心臓病の危険度

1個=5.1倍
2個=5.8倍
3〜4個=35.8倍

医療機関か集団会場、あなたに合ったスタイルで選べる「けんしん」

 特定健康診査、生活習慣病予防健康診査、胃がん検診などの「けんしん」は、医療機関での個別けんしんや保健センターでの集団けんしんなど、生活スタイルに合わせて自由に選べます。

【問い合わせ先】健康推進課(電話番号0942-30-9331、FAX番号0942-30-9833)

一度に多くの検診ができる 集団けんしん

会場
保健センターや市役所など
予約
くるめけんしんダイヤルで予約(平日9時〜17時)電話番号0120-900-072(フリーダイヤル)
市ホームページで予約
(NEW)準備
問診票・採尿検査容器などが届きます
記入、採取して当日持ってきてください
受診
持参する物をガイドブックで確認
結果
結果説明会に参加して、説明を受けます
がん検診は、約1カ月後に自宅に郵送

自分の予定で受診できる 個別けんしん

会場
かかりつけ医など市内の医療機関
(注意)市の受託医療機関か確認を
予約
直接医療機関へ連絡を
(注意)予約が不要な所もあります
受診
持参する物をガイドブックで確認
結果
医療機関で説明を受けます
がん検診は、医療機関に聞きに行くか、約1カ月後に自宅に郵送。

健診結果に応じて、無料で医師や保健師などが保健指導を行います。
がん検診で、要精密検査となったら、必ず精密検査を受診してください。

お薦めのけんしんを紹介 (下記以外のけんしんは、ガイドブックや市ホームページで確認を)

けんしんの種類=市国民健康保険特定健康診査(メタボ予防に効果的)
対象年齢(年度末)=40〜74歳
場所=医療機関・集団会場
個人負担金課税世帯=無料
個人負担金非課税世帯=無料

けんしんの種類=生活習慣病予防健康診査(メタボ予防に効果的)
対象年齢(年度末)=35〜39歳、40歳以上で各医療保険の被保険者・被扶養者ではない人
場所=医療機関・集団会場
個人負担金課税世帯=500円
個人負担金非課税世帯=無料

けんしんの種類=胃がん検診(内視鏡が登場)
胃内視鏡検査(胃カメラ)(注意)医療機関のみ
対象年齢(年度末)=50歳以上の偶数年齢(胃カメラかバリウムのいずれか)
場所=医療機関
個人負担金課税世帯=2,000円
個人負担金非課税世帯=無料

けんしんの種類=胃がん検診(内視鏡が登場)
胃部X線検査(バリウム)(注意)集団会場のみ
対象年齢(年度末)=50歳以上の偶数年齢(胃カメラかバリウムのいずれか)
場所=集団会場
個人負担金課税世帯=600円
個人負担金非課税世帯=無料

(注意)非課税世帯の人は、保健所や各総合支所で発行する「無料健康診査確認書」が必要です

▲このページの先頭へ