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市民とつくる出掛けたくなる緑のまち(令和元年8月1日号)

 鮮やかな新緑。日差しを和らげてくれる木陰。歩道を彩る花々。「緑」は、私たちに癒しや安らぎを与えてくれます。木々の呼吸は空気を浄化し、冷やす効果もあります。
 それだけではありません。街角の木陰には人々が集い、語らい、にぎわいが生まれます。
 緑でもっとすてきなまちに。久留米市は、緑あふれるまちづくりを市民の皆さんと一緒に進めています。

植栽ボランティア花人さん

地元の人の手で植えられる花々

花の手入れがまちの美化に

 中心市街地の花壇は、「花人さん」の手で植えられています。市が呼び掛けた日に一斉に花植えを行う植栽ボランティアです。現在84人が登録。久留米シティプラザ前の道路や西鉄久留米駅東口2階デッキなどの花壇に花を植えます。
 5月24日、日吉校区女性の会の花人さんは、二番街商店街にあるハンギングバスケットに色鮮やかなベゴニアの苗を植えました。花人さんの活動は、植えるところまで。しかし、皆さんは通り掛かった時に、枯れた花を摘むなどの世話を小まめにしています。
 メンバーの一人、中野ハルカさん(天神町)は、他に天神町公園の花壇も世話をしています。「チューリップやユリなど、季節ごとの球根を植えて、いつ来ても花のある公園にしています。以前、たくさん落ちていたタバコの吸い殻や空き缶が、今はすっかり無くなりました。きれいな花が咲いていたら、ごみを捨てる気にはならないのでしょうね」と笑顔を見せます。

中心市街地の道路の花壇をきれいに くるめ花街道サポーター

通学中の高校生が「ありがとう」

金融機関がタッグを組んで

 花植えだけでなく、日々の手入れを行うボランティア制度もあります。「くるめ花街道サポーター」は、中心市街地の道路の花壇を区画ごとに受け持ち、植え付けや水やり、草取り、掃除などをします。個人やグループ、事業所単位で活動しています。
 明治通りの六ツ門交差点近くに並ぶ三つの金融機関は、平成24年の制度開始からサポーターとして活動しています。
 金融機関のビル管理の仕事をしている浦さんは、毎日朝夕に花の手入れをしています。始めた7年前は、花についての知識は全く無かったと言います。花壇を整備すると通りが見違えるほどきれいになることに気付いてから、肥料の与え方や水のやり方などを独学しました。浦さんは、「この春は新しい肥料を与えたところ、花がたくさん咲き、通り掛かりの人がスマートフォンで撮影するほどに。通学途中の高校生が、わざわざ自転車を止めて、『いつもきれいにしてくれてありがとうございます』と言ってくれたんです。そう言われると、やりがいが増しますね」と話します。

久留米ならでは、を生かして基本計画を描く

緑と人が生み出す美しい景色

 生活の中に緑があふれるまちをつくると、住む人だけでなく、訪れた人も美しいと感じます。久留米市が目指す緑のまちの将来像を、担当の職員に聞きました。

地域の特徴を生かして
 耳納連山、筑後川、田園風景から、公園や並木道、街なかの植栽まで、久留米にはさまざまな緑のある景色が広がります。市が平成30年に作った「緑の基本計画2018」では、久留米ならではの緑の資源を守り、活用し、市全体に水と緑と花のネットワークをつくる将来像を描いています。
 公園緑化推進課の宮ア貴子さんは「例えば、西部地区はクリークやため池がある田園風景の中に、三潴町の水沼の里2000年記念の森や城島町の町民の森といった公園があります。東部地域は、耳納連山から筑後川まで、奥山、里山、田園、河川と、ダイナミックなパノラマ風景が広がります。中心市街地は、高良山や久留米城跡、都市公園や街路樹にも豊かな緑があります。地域の特徴を生かしながら、人の往来が生まれるようなまちを、これからつくっていきます」と説明します。
美しい市街地を緑で
 緑には、豊かな生態系の維持、災害を抑えるなどさまざまな役割があります。宮アさんはこれに加えて、緑の持つ「魅力ある空間を作る」役割を重視。また緑の空間を市民と一緒につくっていくことが大切と話します。
 「多くの人が行き交う中心市街地に緑を増やすため、市民の皆さんが高い木を植えるのを助成する制度を始めます。これまで緑化を促す制度は『生け垣設置奨励金制度』だけでした。新しい『緑の街並みづくり助成制度』は道路から見える緑化を促すもので、壁面緑化も対象です。住む人も、訪れた人も『美しい』『いいところだな』と感じられる市街地をつくりたいのです」。
人がつくる良い景色
 単に街なかの緑を増やせば良いということではありません。
 「いい景色は、人が居て初めて完成します。緑のあるところに人が集まり、にぎわいが生まれます。そのために、民間の力を取り入れます。例えば公園にカフェや子育て施設など、出掛けたくなる施設を造り、公園をより居心地の良い場所にすることも考えています。
 行政、市民、事業者がそれぞれの立場で緑あふれるまちづくりに関わり、暮らしの中に緑が息づくまちを一緒につくっていきませんか」と宮アさんは力を込めました。

道沿いの樹木や壁面緑化が対象

緑の街並みづくり助成制度

 市中心部の道路沿いの民有地緑化を進めるための制度です。対象道路沿いに、新たに高木を植えたり壁面緑化をしたりする費用の一部を助成します。

  • 対象道路
    JR久留米駅から西鉄久留米駅までの主要な通りや池町川緑道、石橋文化センターや久留米城跡といった、中心部の名所を結ぶ道路、梅林寺や水天宮周辺の景観重点区域など
  • 対象要件
    対象道路の境界から6メートル以内の土地に、3メートル以上の高木を植えるか壁面緑化を行い、道路側から見えること
  • 助成金額
    工事費の2分の1か助成基準単価のいずれか小さい額。上限50万円

「花人さん」「くるめ花街道サポーター」募集中

あなたの手で街なかを美しく

【花人さん】
 春と秋の年に2回、二番街商店街、久留米シティプラザ、西鉄久留米駅東口2階デッキなどで行う花植えに参加するボランティア。登録すると、花と緑の名所めぐりや花と緑についての講習会など、楽しいイベントに参加できます。
【くるめ花街道サポーター】
 中心市街地の道路沿いの花壇に花を植え、水やり、草取り、清掃の中から、自分にできる手入れを行うボランティア。対象となる花壇は、明治通り、昭和通り、けやき通り、西鉄久留米駅前広場に、今年度新たに三本松通りが加わりました。
 市が花苗や肥料、軍手、ごみ袋などの園芸資材を提供します。植え方や育て方などの情報を載せた機関紙を発行するなど、活動をサポートします。

いずれも、申し込みや問い合わせは、公園緑化推進課(電話番号0942-30-9087、FAX番号0942-30-9707)へ。

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