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第41回 じんけんの絆(令和元年6月15日号)

思いに寄り添うことから

 5月28日、神奈川県川崎市で20人が殺傷される痛ましい事件が起こりました。突然、理不尽に襲ってくる犯罪。被害者や家族の悲痛な思いについて、福岡犯罪被害者総合サポートセンターの相談員である浦尚子さんにお話しを聞きました。

決して人ごとではない

 福岡犯罪被害者総合サポートセンターは、殺人、傷害致死、交通事故などの被害に遭った人やその家族からの相談を受けています。また、カウンセリングや病院・警察・裁判への付き添い、法律相談や生活支援なども行います。平成30年度の電話相談は689件。年々増加しています。
 犯罪被害というと、どこか遠い出来事のように感じるかもしれません。でも毎日のように、悲惨な事件や事故は起きていて、いつ、誰が被害に遭うか分かりません。決して人ごとではありません。朝、何気なく見送った家族と二度と会えない悲しみや憤り。被害に遭った人は、何も悪くないのに、深い苦しみを背負わされてしまうのです。  

心無い発言がさらに傷つける

 人に傷つけられる体験をすると、同じことがまた起こるのではないかという恐怖感や、不信感が深く心に刻まれます。周りの人に相談をしても、分かってもらえないと考え、すべてを独りで抱え込んでしまうことも。人に話すことですら、勇気が要ります。眠れない日が続いたり、物事に集中できないなど、心だけではなく体の不調も起こります。
 被害者をさらに苦しめるのは、周りからの「頑張ってね」や「早く忘れたほうがいいよ」といった何気ない発言や、「あなたにも落ち度があったのでは」といった本人を責めるような言葉です。被害者を追い込んでしまうことになります。また、周りが気を使い過ぎて、その人から遠ざかってしまうことが、被害者を深く傷つけることにもなるのです。 

本人のペースにあわせて

 もし、周りに苦しんでいる人が居たら、その人のペースで話を聞いてください。思いを知ってもらうだけで、気持ちが楽になることもあります。話す側も聞く側も、決して無理をしないことが大切です。本人が何を望んでいるのか、周りの私たちに何ができるのかをゆっくり考えていくことが大切です。いつでも私たちに相談してください。

【問い合わせ先】安全安心推進課(電話番号0942-30-9094、FAX番号0942-30-9706)

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