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監査結果を受け、西鉄久留米駅東口の課題解決へ(令和元年6月15日号)

第3セクターの債権譲渡を検討

 西鉄久留米駅東口の再開発で整備された商業ビル「リベール」。運営する久留米市の第3セクター「久留米都市開発ビル」に対する市の債権、約21億円の回収が課題となっています。このほど報告された監査結果を受け、市は回収が事実上困難と判断。今後、専門家の意見を聞きながら、債権の譲渡などについて検討します。

再開発の遅れも経営に影響

 リベールは、再開発の核として昭和58年に建てられました。市はビル運営などを担う母体として久留米都市開発ビルを設立。市が同社にビルの保留床(市街地再開発事業で新たに作られたビルの床。テナント貸しなどで収益を得ることができる)を約49億6千万円で売却し、約29億円を分割払いとしました。
 再開発は予定より7年遅れて昭和60年に完了。開発の長期化で事業費は20億円の赤字に、それを保留床の価格に付け替えたため予定していた価格を超過。また、地権者や地元商業者との調整で、テナントを誘致しやすい1、2階の面積が少なくなるなど、同社に不利な状況に。後の経営に影響を及ぼしました。

再建後も抜本解決に至らず

 同社の主な収入源はテナントの賃料。しかし、保留床の購入価格上昇のあおりを受け、予定より高い賃料を設定することになり、オープン直後からテナント撤退が発生。その後もバブル崩壊や郊外型店舗の進出などで、次第に売り上げが減少し、経営が低迷しました。
 平成14年9月、同社の経営が破綻。民事再生手続きによる自主再建を目指すこととなりました。市は、公共施設の入居や債権の一部放棄などで、再建を支援。民事再生期間終了後も抜本的な経営改善には至らず、年500万円の別除権(破産手続きや民事再生手続きに左右されずに、担保物権を処分することで回収できる権利。市の保留床処分金は、抵当権を含む別除権とされている)の弁済協定などで支援を続けたものの、約21億円の債権処理が課題として残っています。

先送りの課題解決の時期に

 この問題について、大久保勉市長が監査委員に「財政援助団体等監査」を求め、結果が31年3月28日に公表されました。監査委員は、16年から29年度の事業収入高4億円と想定していたものの、26年度以降は3億円を下回っていることを指摘。別除権の返済についても、完済に400年以上かかる額で設定した4年間の弁済協定自体は理解するとしたものの、2回目も同内容で締結したことを疑問視。21億円の債権回収は事実上困難であると判断し、先送りにしてきた問題解決を決断する時に来ていると結論付けています。

専門家と共に分析・検討

 西鉄久留米駅東口は、中心市街地を活性化するための重要な場所です。そのため、再開発に向けた庁内検討プロジェクトを発足しています。
 市は、この監査結果を真摯に受け止め、今後、処理について専門家の意見を聞きながら、分析と検討を進めたいと考えています。別除権は市の関連団体や新設する特別目的会社(資産の流動化などの業務を行うために設立される会社)などへの譲渡を検討。市議会と十分に協議し、方向性の議論を進めていきます。

【問い合わせ先】商工政策課(電話番号0942-30-9134、FAX番号0942-30-9707)

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