多様な環境に、さまざな生き物がいることで私たちの暮らしは成り立っています。自然と触れ合うことや興味を持つことが、生物多様性を守る第一歩です。
筑後川まるごと博物館運営委員会事務局長。ちくご川子ども学芸員養成講座の取り組みが、「国連生物多様性の10年日本委員会」が主催する「生物多様性アクション大賞2018」で審査委員賞を受賞
くるめウスを拠点に、8年前から「ちくご川子ども学芸員養成講座」が開催されています。豊かな自然に恵まれた筑後川や高良川を博物館に見立てた講座です。小学生から中学生までの子どもたちが昆虫の専門家と一緒にフィールドワークや研究、発表を行います。
講座を開く鍋田康成さんは、「テーマは子どもが興味を持ったこと。まずは思う存分虫を追いかけ、自然や環境を感じることから」と言います。昆虫の飛び方を見て「ウスバキトンボの飛び方や体の特徴は、ゼロ戦に似ている」と仮説を立てた子や、ハチなど毒を持つ昆虫をきっかけに化学に興味を持った子も。「採集した昆虫を300種に分類した子もいました。子どもたちが言うには、筑後川はトンボ王国、バッタ王国なんだとか。多種多様な生き物に出会うことができます」。
鍋田さんは、水の大切さを感じてもらう教室「PROJECT WET 体験・水のふしぎ」も開催しています。水が人間に欠かせないことや、毎日の暮らしが自然に影響を与えていることなどを伝えています。子どもたちは活動を通して、環境への意識や、生き物を大切にする気持ちを育んでいます。
生物多様性とは、さまざまな生き物が、複雑に関わりあって存在することです。地球に暮らす生き物は約3000万種。しかし、1年で約4万種が絶滅しています。市内でも、200種近くが絶滅の恐れがあると言われています。
生き物の減少は、私たちの生活にも大きく影響します。例えば、植物の受粉を助けるミツバチ。農作物の収穫量が減り、食糧難の一因になるのではと考えられています。また、土を豊かにする微生物が居なくなると森林が減り、資源として利用できる木材が不足するだけでなく、土砂崩れも起こりやすくなります。生物多様性を守ることは、私たちの暮らしを守ることでもあります。
久留米市は、平成29年に「くるめ生きものプラン」を策定しました。豊かな自然や生き物を、次の世代に引き継ぐため、市全体で生物多様性の保全に取り組むことを目指しています。
【問い合わせ先】環境保全課(電話番号0942-30-9043、FAX番号0942-30-9715)
「PROJECT WET体験・水のふしぎ」の一場面。水をぎりぎりまで入れたコップに、アメンボに見立てたクリップを浮かべ、合成洗剤を垂らします。表面張力が弱まり、クリップはたちまち沈んでいきます。川や池を汚すと、生き物が暮らせなくなることを、体験を通して子どもたちに伝えます。
プロの自然案内人の佐々木洋氏が、まちの中で暮らしている生き物の意外な習性や行動について解き明かします。講演会終了後、希望者には、宮ノ陣クリーンセンターの見学会があります。
【問い合わせ先】宮ノ陣クリーンセンター環境交流プラザ(〒839-0805宮ノ陣町八丁島2225、電話番号0942-27-5371、FAX番号0942-27-5443、電子メールアドレスmyjclean@city.kurume.fukuoka.jp)
ビオトープの生き物を観察し、生物多様性と私たちの暮らしとの関わりを解説します。サンデーリサイクルと同日開催。
【問い合わせ先】環境保全課(電話番号0942-30-9043、FAX番号0942-30-9715)
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