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第38回 じんけんの絆(平成31年3月15日号)

意思を尊重し選択肢を増やす

 社会福祉協議会は家庭裁判所に選任され、法人として成年後見業務を行っています。業務に携わる古谷潔子さんに、同制度を通じて感じる人権の課題などについて聞きました。

市内で600人が利用

 市成年後見センターへの相談は年間延べ400件。認知症になった親が介護施設と入居契約を結べない、介護施設の費用を親の代わりに銀行から引き出そうとしたら断られたなど、必要に迫られて相談に来る人が多いです。今、市内で成年後見制度を利用している人は約600人。そのうち約30人の後見を、社会福祉協議会が行っています。本人に代わって法的な手続きをしたり、預貯金を管理したりするだけでなく、適切な福祉サービスが受けられているかを確認するなど、生活面での支援も大切な役割です。

本人の思いを伝える

 ある女性は高齢になり認知機能が次第に低下。体に障害もあるので、周囲は福祉施設に入居することを勧め、話が進んでいました。しかし、本人に話を聞くと、これまで通り自宅での生活を強く希望されました。メリット、デメリットを説明しても思いは変わりません。そこで、ヘルパーによる支援を充実させ、将来のお金の見通しが立っていることなどを親族に説明。本人も周囲も納得した上で、今も自宅で生活を続けています。
 障害や認知症などで自分の意思を伝えることが難しい人でも、本人の意思は尊重されるべきもの。会って話を続けるうちに、伝えようとしている事が分かってくることもあります。後見人が本人の意思を支援につなぐことで、希望を叶える選択肢を増やせると感じています。

支援者と一緒になって

 高齢化が進み、認知症になっても住み慣れた自宅や地域で生活を続けたいという人は増えるでしょう。後見人が、地域の人や民生委員、ヘルパーやケアマネジャーなど、さまざまな支援者と一緒に活動する機会は増えると思っています。
 もし、様子がおかしいなという人が身近に居たら、地域包括支援センターや市役所など、相談機関に知らせてください。すぐに後見制度の利用とはならなくても、必要な支援につながっていくと思います。

【問い合わせ先】長寿支援課(電話番号0942-30-9038、FAX番号0942-30-6845)

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