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第37回 じんけんの絆(平成31年2月15日号)

周囲の配慮が外出を後押し

 後縦靱帯骨化症という難病を患いながら、患者の会を立ち上げて活動を続ける上田順子さんに、会の目的や周囲へ期待することなどを聞きました。

突然の痛み 難病の診断

 40歳のある晩、背中に激痛が走りました。痛みで眠れない日が続き、病院を受診。後縦靭帯骨化症と診断されました。背骨の中にある後縦靭帯が骨になって脊髄などを圧迫し、感覚や運動機能に障害が起こる難病です。症状はしびれや手足が自由に動かないなど人それぞれ。私の場合は、背中をまっすぐ保つことが難しく、車いすでの生活です。強い鎮痛剤も欠かせません。
 痛みや症状よりも辛かったのが、周囲に同じ病気の人が居なかったことです。発症して20年間で知り合ったのは1人だけ。「病気のことを共感できる人がほしい」という思いをずっと抱いていました。

患者の会が心の支えに

 そのような思いから平成24年に始めたのが「後縦靭帯骨化症こころ会」です。現在会員は25人。久留米市内で交流会などを行っています。この病気の患者の会は県内ではただ一つで、北九州や熊本から参加される方もいらっしゃいます。
 病気のことは家族も理解してくれますが、同じ患者だからこそ「そういうこともあるよね」という一言で、心が楽になります。仲間同士で夢中で話をしているときは、つかの間ですが痛みを忘れられるんですよ。

外出は誰かと関わりながら

 29年には患者以外の方にも参加を呼び掛けて、講演会を開催しました。困っている人への声掛けや、配慮につながればという思いからです。私は車いすを利用していて、外出時の車への積み下ろしなどは、近くに居る人に声を掛けて手伝ってもらっています。皆さん優しく接してくれて、幸せな気持ちになります。
 私のように症状が見て分かる人もいれば、内部疾患で分からない人もいます。難病や障害のある人が、配慮が必要な事を知らせる「ヘルプカード」という物があるので、もし持っている人を見掛けたら、一歩踏み出して声を掛けてください。外に出掛ける機会がきっと増えると思います。

【問い合わせ先】健康推進課(電話番号0942-30-9331、FAX番号0942-30-9833)

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