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新春特別企画 トップ対談 (平成31年1月1日号)

消費者庁長官 岡村和美 × 久留米市長 大久保勉

トップが語る今の仕事、抱く希望 かつての同僚の2人が再会。本音で迫る未来への指針
 久留米市は成長可能性都市ランキングで全国5位。福岡都市圏に隣接しながらも自然に恵まれ、多くの高度医療機関を有し、優れた文化芸術が花開く。子育て世代からシルバー世代まで、その住みやすさは高い評価を得ている。これからさらに発展するには?
岡村和美
昭和32(1957)年東京都生まれ。早稲田大学法学部・ハーバードロースクール卒、日米で弁護士登録。
42歳で検事任官。平成15年法務省初の女性課長に就任。法務省大臣官房参事官、金融庁統括官、最高検察庁検事などを経て、26年、女性初の法務省人権擁護局長。28年から消費者庁長官を務める
大久保勉
昭和36(1961)年久留米市生まれ。京都大学経済学部卒。
銀行、外資系証券会社勤務を経て、参議院議員に。財務副大臣、参議院経済産業委員長を歴任。平成30年、久留米市長に就任。趣味はマラソン、マウンテンバイク、読書、旅行

新時代の幕開け 国と地方、女性と男性

出会いは25年前
大久保市長
春には、平成から次の時代に。節目に対談ができて感激です。25年前、外資系証券会社で机を並べ、私の参議院時代は数々の貴重な助言も頂きました。今日は楽しいお話を期待しています。

岡村長官
私も、伝統ある広報紙のお正月企画に参加できて光栄です。大久保さんこそ、世界を舞台に輝いて仕事をしておられた。私が金融庁の頃、財務副大臣で、誰もが期待する仕事をなさる、そして多くの人から尊敬される国会議員でした。
男女を超えた活躍
大久保市長
長官は世界で弁護士としてご活躍され、ガラスの天井を打ち破り、女性初の役職も歴任されました。女性活躍の見本ですね。

岡村長官
女性活躍は、上司や周りの配慮が大事です。要は、男性が変わること。私は、男女を超えて、仕事をこなそうとやってきて、先輩、後輩、チームに恵まれました。
今、消費者庁は若い人を中心に、意識改革が進んでいます。大事なのは女性も男性も働きやすい職場かどうか。久留米の働く女性は増えていますか。

大久保市長
増えていますが、人と仕事の出会いが課題です。表面的には全国と同じく人手は不足していますが、潜在的な労働力はあります。テレワークなど、多様な働き方を提案し、働ける環境をしっかり作りたいと思います。
女性登用は市役所でも進めています。管理職の評価を上司・同僚・部下からの「360度評価」にして、女性登用についての項目も評価に加えました。女性も男性も等しく評価し、活躍を期待しています。
暮らしを守る
岡村長官
ところで全国で今、消費者行政がとても活発です。久留米でも積極的な取り組みが進められていますね。
目指すのは、住みやすく持続可能なまち。消費者庁も「誰一人取り残さない社会をつくる」という姿勢で仕事しています。

大久保市長
消費者庁は未来を向いた役所というイメージですね。全ての省庁と関わりながら、国民の気持ちをくみ取り、課題を解決しようとしている。

岡村長官
消費者庁が生まれた理念がまさにそれ。住民の皆さんの暮らしやすさを考えると、企業にとってもいい流れになります。
人と企業の良い関係
岡村長官
「エシカル消費」はご存知でしょう。健康や環境、災害復興や弱者支援などの課題解決に取り組む企業や商品・サービスを選んで購入することです。
地域の伝統を守っている商品を購入するなど、社会的に意義のある買い物をしようという考え方で、安心して暮らせる好循環を生み出します。若者を中心に、こういったスタイルがかっこいいと認識され始めています。

大久保市長
久留米にも伝統ある、優れた技術を持つ企業が多くあります。市民の誇りで、地力の元だと思います。久留米絣の祖・井上伝、からくり儀右衛門、ゴム3社を経て、現代もトップシェア企業が数多く立地。近々、それをまとめた冊子を発行するんですよ。
農業をまちの強みに
大久保市長
農産物も久留米の魅力の一つ。米やフルーツ、野菜、加工品など、特色ある農産物が豊富にあります。
昨年はプロモーション動画を作成し、私もせっせとセールスをしています。
農家の中にはグローバルギャップ(グローバルギャップ=農業生産における環境的、経済的及び社会的な持続性に向けた取り組みで、安全で品質の良い農産物をもたらす。その国際認証を受けると「安全で品質の良い食品・非食品の農作物であると世界的に認められた」ことになる)を取得している所もあるので、輸出も含めて世界にアピールしたいですね。

岡村長官
久留米ほどの農業都市なら他と比べて優位な物も豊富でしょう。
機能性が表示された食品であれば、健康志向の人にとっても魅力的です。オリンピック・パラリンピックも近いから、海外にもアピールできるといいですね。

弱い立場を支え行き着く住みやすさ

住みやすさ日本一
大久保市長
オリンピックといえば、ケニアやカザフスタン共和国がキャンプに来ますが、決め手は充実した医療。市の特色の一つです。でも魅力はまだまだあって、人と人とのつながりが残っているというのが、私は貴重だと思います。

岡村長官
それは素晴らしい。私たちも、高齢者や障害のある人たちを消費者被害から守るため、近所の人やヘルパーさんなど、地域全体で見守り、支援することを呼び掛けています。

大久保市長
市民同士の助け合いは大切だと思います。協働は市の政策の柱で、まずは「自助」、そして「共助」。それでは解決できない、待機児童の解消や都市環境の整備のような問題を行政がしっかりと後押し。
市民一人ひとりが主役で、元気に明るく暮らせるまちにしたいんです。特に、高齢者、子ども、障害のある人など弱い立場にある人の住みやすさを追求する。その集大成としての「住みやすさ日本一」なのです。
おしゃれで豊かな印象
大久保市長
東京だと通勤1時間は普通ですよね。久留米は首都圏でいうと、二子玉川みたいな感じ。大きな川があって緑があり、都会にも近い。役所以外と連携して移住政策にも力を入れています。

岡村長官
人々がとってもおしゃれに、豊かに暮らしてるイメージを持ちました。
ユニバーサルな時代にみんなが暮らしやすいまちですね。早く久留米に行ってみたくなりましたよ。

大久保市長
ぜひおいでください。大歓迎します。

【問い合わせ先】広報戦略課(電話番号0942-30-9119、FAX番号0942-30-9702)

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