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12月4日から10日まで人権尊重週間 12月3日から9日まで障害者週間(令和元年11月15日号)

オリパラの理念 人権尊重

 2020東京大会の開催まで約8カ月。「オリンピック憲章」には、人権に配慮した大会であることがうたわれています。長い歴史の中でオリンピックが乗り越えてきた、さまざまな人権尊重の歴史を振り返ります。

古代オリンピックの復活

 近代オリンピックは、フランスの教育家ピエール・ド・クーベルタンによって誕生します。クーベルタンは1863年生まれ。20歳でイギリスへ渡り、学生たちが真剣にスポーツに取り組む姿を見て感銘を受けます。「人の成長には肉体と精神の融合が必要である」と考え、スポーツと教育の普及を自らの生き方と定めました。この頃、古代オリンピア遺跡の発掘が行われており、古代競技会への関心が高まっていました。それに刺激されたクーベルタンは、スポーツ教育の理想の形として、「オリンピック復活」への意思を固めていきます。

立ちふさがる人権侵害

 近代オリンピックは、1896年、ギリシャのアテネで第1回大会が開催されました。しかし、この大会で女性の参加は認められませんでした。女人禁制だった古代オリンピックがモデルだったからです。女性の参加が初めて認められたのは、第2回のパリ大会。それでも、出場選手997人のうち、女性はわずか22人でした。
 1968年のメキシコ大会では、陸上男子200メートルで金メダルと銅メダルを獲得したアメリカの黒人選手2人が、表彰台で国旗から顔を背け、黒い手袋を着けた拳を高く突き上げました。この行為は、黒人差別に抗議する「ブラックパワー・サリュート」と呼ばれ、オリンピックの歴史上で最も有名な政治行為として知られています。2人は、その後スポーツ界から追放されます。また、銀メダルを獲得したオーストラリアの白人選手も2人に共感したとして批判され、不遇の生涯を送ります。
 2014年のソチ冬季大会では、開催国のロシアで同性愛宣伝禁止法が制定されたことを問題視した一部の国が開会式をボイコット。国際オリンピック委員会は、憲章に「性的指向」による差別の禁止を加えました。

パラリンピックの意義

 パラリンピックの起源は、戦争で脊髄を損傷した兵士のリハビリとして始まったアーチェリーの競技会です。第1回大会は1960年にローマで開催され、23カ国400人の車いす選手が参加。バスケットボールや卓球などの競技を行いました。障害のある選手が創意工夫を凝らして競技に臨む姿には、個性や能力を発揮し、誰もが活躍できる社会へのヒントが詰まっています。

歴史を振り返るオリパラ展

 さまざまな人権侵害や差別に直面してきたオリンピック・パラリンピック。世界中の人々が多様性と調和の重要性を改めて認識し、共生社会の実現に貢献できる大会を目指しています。
 11月15日(金曜)から市人権啓発センターでは、「オリンピック・パラリンピックと人権」をテーマに特別展を開催。これまでの歴史をひもとき、幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であることを再認識できる展覧会です。

【問い合わせ先】人権啓発センター(電話番号0942-30-7500、FAX番号0942-30-7501)

オリンピック憲章 抜粋

4.スポーツをすることは人権の1つである。すべての個人はいかなる種類の差別も受けることなく、オリンピック精神に基づき、スポーツをする機会を与えられなければならない。オリンピック精神においては、友情、連帯、フェアプレーの精神とともに相互理解が求められる。

6.このオリンピック憲章の定める権利および自由は人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会的な出身、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない。

特別展

「オリンピック・パラリンピックと人権」

  • 開催日=11月15日(金曜)から12月10日(火曜)までの9時30分〜17時。11月23日(祝日)、30日(土曜)は休館
  • 場所=えーるピア久留米人権啓発センター
  • 内容=オリンピック・パラリンピックを人権の視点から考えるためのパネル18枚を展示
  • 料金=無料

大分国際車いすマラソンで20キロメートルに挑む

友人でライバル 二人でトップを目指す

 中学生の2人は、障害のある人も無い人も一緒にスポーツを楽しむことを目指した総合型地域スポーツクラブ「桜花台クラブ」で車いすバスケットボールに励んでいます。実力は佐賀の社会人チームの練習にも参加するほど。間近に迫った大分国際車いすマラソンの出場に向けて筑後川サイクリングロードで猛練習中。
 中尾さんは「練習はきついけど、終わったときの達成感がある。目標を決めてから、より頑張れるようになった」。辻野さんは「テニスから始めてスポーツができるという自信がついた。まずは完走し、少しずつタイムを縮めたい」と言います。辻野さんは同大会の最年少。
 バスケットボールはチームプレー、マラソンは個人プレー。違った楽しさがある。両方とも続けて、将来はパラアスリートを目指したいと、2人は語りました。

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