九州大学発のベンチャー企業「HIROTSUバイオサイエンス」は、線虫を使ったがん検査を開発。来年1月の実用化に向け、一連の流れを確認し、課題の洗い出しと自動解析装置の運用試験を行います。久留米市はこれまでも同社を支援。今回は職員100人分の尿を提供し、装置の運用試験に協力します。
開発されたのは「N-NOSE」という、体長1ミリメートル程度の線虫の嗅覚を使った検査法です。がん患者の尿の臭いに反応して近づいていく習性を利用し、胃がんや肺がん、乳がんなど15種類のがんのリスクを調べることができます。
これまでに行った検査では85%の的中率。1滴の尿で検査できる簡易性と、1回9800円と安価な費用が特徴です。来年から年間最大25万人分の解析をできるように準備を進めています。
市は福岡県と共同で進めてきた「福岡バイオバレープロジェクト」で、30年度から、自動解析装置の開発や実証実験などに対して支援を行ってきました。
広津崇亮社長は「がん検診の受診率向上には画期的な方法が必要だと思ってきました。早期発見のために重要となる第1次のふるい分け検査を、安価・高精度で実現できました」と話しました。
大久保勉市長は「尿1滴でできることに価値がある。仕事や子育てなどで時間が無い人も受診しやすくなるので、実用化に向けてしっかり支援していきたい」と期待を込めました。
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