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第33回 じんけんの絆(平成30年9月15日号)

外国人も「地域の住人」

認定NPO法人ワンストップリーガルネットは、久留米で暮らす外国人の悩みやトラブルの相談を受け、法的手続きのサポートなどをしています。
同法人理事長の大内田治男さんに話を聞きました。

増えている相談

海外勤務の経験を生かして、久留米で外国人の相談に乗ったり、法的手続きのサポートをしたりしようと、平成5年に行政書士になりました。
当時は600人ほどだった市内に住む外国人も、今では約3,800人に。
コンビニエンスストアなどで働く外国人に出会う機会が多くなりました。それに伴って、労働に関する相談も増えています。

都合の良い労働力

日本の企業などで働いて、知識や技能を学び、母国の発展に役立てるのが外国人技能実習制度です。
久留米にも企業や農家で働く実習生が居ます。その人たちから長時間労働をさせられているという相談を受けることがあります。特に、農業分野は法律上で労働時間の定めが無く、労働時間が長くなりがちです。
実習生の多くが、借金をして来ています。仕事ができないと借金が返せなくなるので、黙って雇い主に従うしかないのです。
このような問題が起きるのは、制度の課題もあるのでしょうが、雇う側に、外国人実習生を、都合の良い労働力として低く見てしまう意識があるからではないかと思います。

意識を変えていく

日本は、今、深刻な労働力不足です。その解決策として、外国人の労働力は貴重な存在です。国は、在留資格を見直すなど、外国人が働きやすい環境を整えようとしています。今後ますます、外国人労働者は増えるでしょう。
そういう時代だからこそ、私たちは、外国人労働者への意識を変えていく必要があると思います。
「労働力」としてだけでなく同じ地域で生活する「住民」であることをきちんと認識することが大切です。そうすれば、お互いに助け合いながら暮らす「共生」の社会に、おのずと近づいていくのではないでしょうか。
日本人も外国人も、一緒に地域の清掃活動やお祭りなどに参加して、汗を流したり、楽しんだりできる関係が理想ですね。

【問い合わせ先】観光・国際課(電話番号0942-30-9137、FAX番号0942-30-9707)

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