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9月20日から動物愛護週間(平成30年9月15日号)

ペットの命は預かりもの「殺処分」減少の舞台裏

899頭―。久留米市保健所「動物管理センター」ができた平成20年度に殺処分された犬や猫の数です。
それが29年度は105頭。昨年11月から今年4月までの殺処分はゼロでした。
犬や猫の引き取りや迷い犬の捕獲などを行う同センターは、大切な命をつなごうと日々奮闘しています。

【問い合わせ先】動物管理センター(電話番号0942-30-1500、FAX番号0942-30-1788)

涙する職員 後を絶たず

「20年度は、まさに抑留施設でした」と同センターの馬場修さん。飼い主の元に帰れない犬猫は殺処分しかなく、保護する期間は最短で3日間でした。「『犬ごろし』と言われることもありました」と言います。
殺処分に当たり、実際に処分を行う県に提出する「動物収容依頼伝票」には、獣医師の職員が署名・押印します。「『死刑執行』にサインをするようなもの。泣きながら帰宅する職員を何度も見ました」と話します。
殺処分が大きく減った背景に、同センター職員の「命への思い」がありました。

持ち込み数も大幅減

殺処分を減らそうと、21年度に「譲渡事業」を開始。同時に保護期間を延ばしました。
「餌やりや掃除、散歩などで休日も交代で出勤。獣医師は動物の厳しい体調管理を求められます。でも、尊い命をつなぐために必要なこと」と言います。
一方で、「毛の色が気に入らないだけで持ち込んだ人が居ました」と、減らない持ち込みに頭を抱え、飼い主の意識に疑問を感じたことがあると言います。「保護できる数は限界がある。一頭持ち込んだら、その分一頭が殺処分されることに気付いてほしい」。
職員の粘り強い説得や、ボランティアと連携した啓発などで、700頭を超えていた持ち込みは、29年度、27頭にまで減りました。

人と動物の支援基地に

引っ越し、病気、高齢化。飼い主の環境の変化のしわ寄せはペットへ向かいます。「動物を飼うことは命を預かること。金も手間もかかる。簡単ではないんです」。
譲渡の際、飼い主になる人の生活環境や家族構成などを確認し、譲渡できるか見極めます。「飼う時は今後の暮らしを現実的に考えて」と馬場さんは訴えます。
そして、センターの未来像を次のように話しました。「飼えなくなった人は、無責任に投げ出さず、自分で何とかしようとしてほしい。私たちは、そんな時の支援基地になりたいのです。飼い主に持ち込まれるペットがゼロ頭になればいい」。

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