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第32回 じんけんの絆(平成30年8月15日号)

学ぶ機会を奪わない

子どもたちが学校や家庭などで抱える悩みや困り事を改善していくため、久留米市立の小中学校や特別支援学校、高校でスクールソーシャルワーカーとして働く小塩哲平さんに話を聞きました。

学校に行けない子ども

私たちは、子どもたちの不登校などの相談を学校の先生や保護者から受けます。受けた相談の中で、ある不登校の子どもの忘れられない事例があります。
学校から依頼され、その子の家を訪ねてみると、病気の保護者の世話をしたり、代わりに家事をしたりするために、学校に行けない状況に陥っていました。本人は、行きたい気持ちはあるけれど、保護者を放っておけなかったようです。

目を向け続ける

他にも、虐待や育児放棄などで保護者が子どもを学校に行かせていないという相談が学校からあります。子どもにはどうすることもできない家庭の事情で、学ぶ機会を奪われるのは、とても不幸なことだと思います。
保護者は、家庭の問題を知られまいとすることが多いです。その結果、誰にも頼らず、一人で抱え込むことになりますし、学校や地域の皆さんが何とかしようとしても、なかなか家庭に入り込めません。だから、この問題は解決が難しいのです。ただ、大切なのは、学校に行けない状況が長引かないよう、周りが諦めずに、子どもや保護者に目を向け続けること。そうすれば、時間はかかっても、きっと解決の糸口が見つかると思います。

チーム一丸で支える

不登校をはじめ、学校で起きている子どもたちの問題は、さまざまな要因が複雑に絡み合い、学校や家庭だけでは解決が難しくなっています。地域の皆さんの他、児童相談所、児童養護施設、病院や警察など専門機関との協力が欠かせません。
現在、学校、地域、専門機関、そして私たちスクールソーシャルワーカーが、一つのチームとなって子どもや保護者を支え、それぞれの事情に応じた解決策を見出していこうとしています。「この子の将来のために何とかしたい」という思いを共有し、協力して働きかけていくことで、子どもたちが安全に暮らし、安心して学べるような環境を作っていければと考えています。

【問い合わせ先】学校教育課(電話番号0942-30-9217、FAX番号0942-30-9719)

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