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第36回 くるめ学生通信 (平成30年8月1日号)

市内の大学生が、久留米市の仕事などを取材し、学生目線で発信するシリーズです。
【問い合わせ先】広報課(電話番号0942-30-9119、FAX番号0942-30-9702)

さまざまな生き物があふれるまちへ

環境の変化や外来種が増え、元々住んでいた生き物が減ってきているという話を聞きました。
私たちに何ができるのか、担当の環境保全課の職員さんに話を聞きました。

私たちの周りに住む生き物たちの現状を教えてください

久留米は、耳納連山や筑後川など、自然に恵まれたまちです。一方で、環境の変化や外来種の増加などで、約200種類の生き物が居なくなる恐れがあると言われています。
生き物や豊かな生態系を維持するためには「生物多様性」を守る必要があります。生物多様性とは、さまざまな生き物のつながりのことです。食べたり、食べられたり、互いに複雑に関わり合うことで、生態系が維持されているんです。

今までもたくさんの生き物が絶滅してきたはず。私たちの生活に影響があるのですか

少しぐらい生き物が居なくなったところで、問題ないと思う人がいるかもしれません。ところが、別の生き物に連鎖して、結果的に広い範囲に悪い影響が出てしまうこともあります。
また、生き物は、人の生活の役に立つ可能性があります。例えば、ハネカクシという昆虫の羽の畳み方が人工衛星のソーラーパネルに応用されています。もし、生き物が絶滅すると、まだ知られていない能力が永遠に失われてしまうんです

市はどのような取り組みをしているんですか

市は、豊かな自然を次世代に引き継ぐため、平成29年2月に「くるめ生きものプラン」を策定。市民や企業、関係機関と協働して取り組みを進めています。
その一つが自然観察会。山や川で生き物と触れ合い、生物多様性を体感し、自然環境に親しみを持ってもらえる企画です。今年は、ブラックバスという外来魚の試食会など、新たな取り組みも予定しています。
他に、外来種対策にも取り組んでいます。ペットや食用として国内に持ち込まれた生き物が放たれて野生化。農作物や生態系に大きな被害が出ています。市は、地域の皆さんと協力して、特に影響が大きいアライグマやアカミミガメなどを捕まえ、これ以上数を増やさないようにしています。

私たちにできることはありますか

外来種は、生態系を乱す悪者と思われがちですが、人の手によって持ち込まれた被害者でもあるんです。ペットを飼う人は、責任を持って最後まで飼ってください。また、身近な自然や生き物と触れ合ってほしいです。生き物に興味を持ち、ごみを捨てないなど、生き物や自然に優しい行動を心掛けることも大切です。

暮らしが快適になった今、私たち人間が、生き物たちにどのような影響を与えているのか分かりました。
今まで、環境問題を他人事のように感じていましたが、取材を通して、生き物たちに興味や関心を持つことができました。これからも豊かな久留米の自然を守っていきたいと思います。

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