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特集 市長が語る平成30年度予算(平成30年7月15日号)

住みやすさ日本一へ 大久保市政 本格始動

今年度予算は、「住みやすさ日本一」の実現を目指して、1,307億9,000万円を計上しました。大久保勉市長が編成した初めての予算。その背景や込めた思いを市長が語ります。

【問い合わせ先】財政課(電話番号0942-30-9117、FAX番号0942-30-9703)

三つの柱で住みやすいまちを実現

1月に市長選挙が行われたため、暫定的に3カ月分の費用を計上していた平成30年度予算。
大久保市長の下、通年予算を編成し、6月議会で可決されました。
予算総額1307億9000万円。大規模事業の完了で、前年より3.8%減少しました。この予算を編成した背景や、予算に込めた思いを聞きました。

情勢を察知して即対応
人口減少・超高齢社会の進行は、全国的な課題です。久留米市も、25年から4年連続で増加していた人口が減少に転じました。こうした状況から生じる課題に対し、迅速かつ的確に対応しなければなりません。
久留米市の住みやすさを高め、前面に打ち出すことで、久留米を訪れる人や移住する人を増やします。さらに、弱い立場にある人も含め全ての市民が「元気に明るく暮らせる」「夢と希望を実現する」生活空間をつくりたいと思っています。それが、「住みやすさ日本一」の実現につながると考えています。
暮らしの安心を提供
今後、三つの柱でまちづくりを進めます。
一つ目は「暮らし・教育(おもいやりと育み)」です。全市民の健康で安心な暮らしを支える施策に力を入れます。
今年度予算では、認知症の人が事故を起こして、家族が損害賠償を請求された場合に備え、市が代わりに保険に加入するなどの「認知症高齢者等支援事業」をスタート。暮らしの安心を提供します。
また、保育ニーズの高い市中心部から空きが多い保育園に送迎するサービス「送迎保育ステーション事業」の31年度導入に向け、準備予算を盛り込むなど、子育て支援も積極的に進めていきます。
この他、教育・福祉施策の充実、人権尊重と男女共同参画の社会づくりも進めます。
30万都市にふさわしい姿
二つ目の柱は「安心・快適・都市力(やすらぎと発展)」です。県南の中核都市としての求心力を高めるとともに、福岡に通勤できるまちとしての魅力も向上。特徴ある資源を生かし、生活の場として選ばれるまちを目指します。
そのため、今年度は「都市づくり構想の検討」に着手します。将来に向けて誰もが暮らしやすく、さらに発展し続けるまちを実現するため、現在の都市計画を、人口30万都市にふさわしい都市づくり計画にするための検討を行います。
プラザの生かし方を議論
三つ目の視点は「地方創生、経済成長・雇用(魅力と活力)」です。
豊かな自然や高度な医療などを生かすとともに、農・工業、観光に付加価値を付け、久留米ブランドとして発信。人や企業を呼び込み、地域経済・産業の活性化につなげます。また、文化芸術の振興も継続します。
今年度の取り組みの大きな目玉の一つに、「久留米シティプラザ運営委員会の設置」が挙げられます。3年目を迎えるシティプラザを、安定的・持続的に運営していくには収支の改善が大切。加えて、市民の皆さんの満足度を高めるために、施設をどう活用していくか。経営的視点と文化芸術センスの両面からの議論をしてもらえるよう、有識者を入れた運営委員会を設置します。

選択と集中スピード感を持って

事業を「選択と集中」
30年度予算は、「直面した課題に早期に対応」「長期的な視点で社会の流れや将来を見据える」「地域経済の活性化と好循環につながる投資・施策展開」を視点に編成。しかし、限られた財源でこれを実現するには、「事業の選択と集中」が不可欠でした。
そのため、「高齢者の運転免許自主返納支援事業」を廃止し、高齢者の移動を支援する「コミュニティタクシー制度」を拡充しました。また「敬老祝い金」の制度など、いくつかの事業で見直しを行いました。
新プロジェクトを設置
将来見込まれる大きな課題に対応するため、「西鉄久留米駅東口周辺の再開発に向けた検討」「都市づくり検討」「久留米シティプラザ検討」の三つのプロジェクトチームを立ち上げました。なお、シティプラザ検討チームは、運営委員会に移行します。
今後は、さまざまな施策に民間のノウハウを取り入れます。より柔軟な発想を生かして、規制の見直しや新たなまちづくりを展開します。

主な新規事業と概要を紹介 今、やるべきことを

1.暮らし・教育(おもいやりと育み)

(1)こどもの笑顔があふれるまちづくり
認定こども園の整備や保育士の確保などで、待機児童の減少を狙います。また、学童保育所の充実や、こども子育てサポートセンターの運営、子どもの貧困対策も進めます。
外国語指導助手の配置充実やタブレット導入などでの学力向上を目指します。学校施設の計画的整備と長寿命化にも取り組みます。
  • 送迎保育ステーション事業134万円
  • 教育ICT活用事業884万円
(2)健康でいきがいがもてるまちづくり
在宅の認知症高齢者向けの個人賠償責任保険加入やドクターカーの運行、集団検診の充実、生活困窮者や障害者の相談支援体制の充実、子どもや若者の自殺予防などに取り組みます。
  • 認知症高齢者等支援事業292万円
  • 生活困窮者自立支援事業7485万円
(3)人権の尊重・男女共同参画のまちづくり
基本的人権の尊重に向けた教育・啓発の推進やDV対策、性暴力・犯罪被害者への支援、児童や高齢者、障害者の虐待防止、女性の活躍推進などを進めます。
  • 人権・同和問題啓発・教育関連事業1億951万円
  • 女性活躍促進事業210万円

2.安心・快適・都市力(やすらぎと発展)

(1)快適な都市生活を支えるまちづくり
幹線道路の渋滞対策や新規路線の検討、リバーサイドパーク宮ノ陣など都市基幹公園の整備を進めます。
また、放置自転車対策の強化や駐輪設備の改善、老朽化した市営住宅の建て替えの他、農道・用排水路の整備なども進めます。
  • 自転車利用促進事業5555万円
  • 小規模農業用施設整備事業5400万円
(2)都市開発・地域開発のまちづくり
中核都市にふさわしい都市づくり構想の検討やJR久留米駅前の再開発支援、西鉄久留米駅東口周辺の再整備に向けた検討、高齢者などの生活支援交通の拡充、空き家の有効活用などに取り組みます。
  • 都市づくり構想検討2262万円
  • 地域交通対策事業費補助(コミュニティタクシー)1394万円
(3)安全・安心なまちづくり
セーフコミュニティの再認証取得や、地域コミュニティ組織・市民活動団体の活動支援、地域と連携した避難所設置運営、農業用ため池改修での防災対策の強化などで、安全安心なまちづくりを推進。
新エネルギーシステムの導入促進や環境学習・啓発なども行います。
  • 防災対策強化事業7084万円
  • 農地防災事業5365万円

3.地方創生、経済成長・雇用(魅力と活力)

(1)地域経済を支えるまちづくり
(仮称)久留米・うきは工業用地の整備と企業誘致、次期産業用地の検討、バイオを核とした新産業創出・集積に取り組みます。また、農産物のブランド化で販売力を強化します。
  • 新産業団地整備事業4億2814万円
  • 久留米産農産物の販売力強化事業2718万円
(2)文化・芸術・スポーツとにぎわいのあるまちづくり
シティプラザや市美術館を活用した上質な文化芸術の提供や、久留米アリーナを使ったMICE(注意1)誘致などで交流人口を増やし、にぎわいを生み出します。
地域おこし協力隊の活用やインバウンド(注意2)の推進、首都圏や福岡都市圏をターゲットにした移住・定住促進にも取り組みます。
  • 久留米シティプラザ運営委員会の設置13万円
  • インバウンド推進事業2004万円

その他の主な事業

  • ふるさと・久留米応援事業12億547万円
  • e市役所環境構築事業7145万円
  • 公共施設等保全基金設置5億円

(注意1)MICE=多くの集客・交流が見込まれる国際会議やスポーツイベント、展示会などのこと
(注意2)インバウンド=外国人が旅行で日本に訪れること

一般会計予算 1307億9000万円

歳入の主な内訳

自主財源
市が自主的に調達することができる収入
  • 【市税】(30.6%)400億1,300万円
    市民税、固定資産税、軽自動車税など
  • 【諸収入】(3.2%)41億6,068万円
    貸付金の元利収入や収益事業からの収入など
  • 【その他】(10.3%)135億1,061万円
    使用料・手数料、分担金・負担金、繰入金など
依存財源
国や県から交付または割り当てられる収入
  • 【国庫支出金】(18.4%)240億5,252万円
    建設事業や生活保護などへの国・県からの収入
  • 【地方交付税】(14.9%)195億1,200万円
    所得税などの国税の一部が交付される収入
  • 【市債】(8.5%)111億4,310万円
    一度に大きな費用が必要となる事業を実施するための長期的な借入金
  • 【県支出金】(8.5%)110億6,309万円
    建設事業や生活保護などへの国・県からの収入
  • 【譲与税・交付金】(5.6%)73億3,500万円
    自動車重量譲与税・地方消費税交付金など

歳出の主な内訳

義務的経費
支出が義務付けられ、任意に節減することが困難な経費
  • 【扶助費】(30.4%)397億4,633万円
    医療費の援助や生活保護費、障害のある人への手当など
  • 【人件費】(11.1%)145億7,691万円
    職員の給与など
  • 【公債費】(9.9%)129億3,586万円
    市債の返済(元金・利子)
その他の経費
  • 【物件費】(14.8%)194億480万円
    備品の購入や印刷費、光熱水費など
  • 【普通建設事業費】(9.9%)130億780万円
    道路や学校などの建設費
  • 【補助費等】(11%)143億7,035万円
    関連団体や各種団体への負担金や補助金など
  • 【繰出金】(8.1%)105億8,018万円
    特別会計や公営企業会計に支出する経費
  • 【貸付金】(2.1%)27億3,738万円
    中小企業への貸し付けなど
  • 【その他】(2.7%)34億3,039万円
    維持補修費、積立金、投資・出資金など

基金と市債の残高状況

市の財政を家計に置き換えると、基金は「貯金」、市債は「借金」で、臨時財政対策債と通常債からなります。臨時財政対策債は、地方交付税の代わりに借り入れることができるお金で、返済費用は、次年度以降に国から交付されます。
市が実質的に負担するのは、市債総額から臨時財政対策債と通常債の交付税充当分を除いた額。30年度は約436億円を見込んでいます。積極的な予算編成の一方で、健全な財政運営に努めています。

(注意)29、30年度の通常債(市負担分)は、28年度を基に推計

26年度決算
通常債(市負担分)=379億円
通常債(交付税充当分)=479億円
臨時財政対策債=455億円
合計=1,313億円
基金残高=247億円
27年度決算
通常債(市負担分)=450億円
通常債(交付税充当分)=511億円
臨時財政対策債=479億円
合計=1,440億円
基金残高=245億円
28年度決算
通常債(市負担分)=441億円
通常債(交付税充当分)=489億円
臨時財政対策債=495億円
合計=1,425億円
基金残高=231億円
29年度決算見込み
通常債(市負担分)=445億円
通常債(交付税充当分)=494億円
臨時財政対策債=511億円
合計=1,450億円
基金残高=215億円
30年度予算
通常債(市負担分)=436億円
通常債(交付税充当分)=483億円
臨時財政対策債=522億円
合計=1,441億円
基金残高=159億円

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