トップ > 広報くるめ >  第30回 じんけんの絆

第30回 じんけんの絆(平成30年5月15日号)

性別と役割の「当たり前」を変える

福岡県男女共同参画センターあすばる館長や九州初の女性町長などの経歴を持つ、市男女平等政策審議会会長の中嶋玲子さんに話を聞きました。

地位が低かった農村女性

結婚を機に、夫の両親と共に農業に携わることになりました。そこで目の当たりにしたのは、農村の女性の地位の低さでした。当時、私が住んでいた地域では農業は男性中心。女性は単なる労働力としてしか見られていませんでした。
例えば、梨の収穫の時、剪定作業ができるのは男性だけ。女性にはできるはずがないと決め付けられていたのです。当時は、「女性は結婚すると家に入って男性に従う」という考え方が強く、農作業でも家の中でも、私に発言力はありませんでした。

女性自身が力を付ける

当時は、仕方がないことだと思っていました。しかし、平成3年に県で最初の女性農村アドバイザーに就任して、考え方が変わりました。私以外のアドバイザーを見ていて驚いたのは、自分の意見をしっかり主張して、生き生きと農業に取り組んでいたこと。女性は言われたことをやるだけと思い込んでいた私は、自分で考え、意見を言っていいんだとうれしく感じました。
今は共働きの夫婦が多くなり、家事や育児を担う男性も増えつつあります。以前は、男性が働き、女性が家事をすることに疑問を持つ人は少なかったのです。世代間の違いはあるものの、社会全体の意識は変わってきています。しかし、この「当たり前」を変えるのは難しく、時間がかかります。

地域から変えていく

まだ、社会や地域では、性別で役割を決める考え方が残っています。例えば、私は、昨年の九州北部豪雨で被災しました。復興に女性の参画は欠かせません。しかし、地域や自治会の役員の多くは男性。本当に必要とされる復興につなげるには、日頃からの男女の対等な関係づくりが必要だと思います。
女性がまちづくりの方向性など、物事を決める過程に関わり、意見を言えるようになってほしい。男女平等は人権の基本。家庭も職場も地域社会も、あらゆる分野の担い手は市民全員なのです。社会に男女平等の意識が根付き、その人らしさを尊重し合うことが「当たり前」になってほしいです。

【問い合わせ先】男女平等政策課(電話番号0942-30-9044、FAX番号0942-30-9703)

▲このページの先頭へ