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第29回じんけんの絆(平成30年4月15日号)

人権尊重をわがまちの根底に

宮ノ陣校区の人権啓発推進協議会の会長で、同校区のまちづくり振興会の会長も務める石橋良光さんに、自身の体験や今後の目標について聞きました。

子どもの頃に芽生えた感覚

私には、忘れられない子どもの頃の体験があります。
私が暑い日に農作業をしていると、時々、水をくれる親切な人が居ました。以来、結構親しくしていたのですが、ある時、家族から「あの人と話してはいけない」と言われたんです。
なぜなら、その人は、被差別部落の人だったのです。
とても優しく、良い人だったのに、なぜそのように言われるのか分らず、腹立たしい気持ちでいっぱいでした。その頃から、漠然と部落差別に対しての不条理を感じていたんだと思います。

1つの事件をきっかけに

その後、企業に勤めたのですが、ある時、会社が部落地名総鑑(被差別部落出身者を排除するために利用された差別書籍)を購入するという事件が起きました。会社や仕事に誇りを感じていたので、あまりに衝撃的でショックを受けました。
事件以降、会社は同和問題の研修にしっかりと取り組むようになり、私も研修を受けたり、部下の教育を担当したりするようになりました。私が人権啓発に取り組むようになった1つのきっかけです。

人の意識や心を変えたい

退職後、それまでの経験や学んだことを生かして、10年前から校区の人権啓発活動に関わるようになりました。
今は、校区まちづくり振興会の会長もしています。目指すのは人権を根っこに据えたまちづくり。人権をないがしろにしては、良いまちづくりはできないからです。
そのために、同和問題をはじめ、障害者や外国人などの身近にある人権課題や戦争体験などをテーマに、学習会や講演会を開いています。
こうした取り組みで、人の意識や心を変えていければと思っています。でも、それは、とても難しく時間のかかること。地道に積み重ね、人権を大切にする人を1人でも増やしていきたいと考えています。
子どもの頃、農作業をする私に水をくれたあの人のことを思うと、自分が暮らすまちに差別があるのは、どうしても許せないのです。その気持ちが、私の人権啓発やまちづくり活動の原動力になっています。

【問い合わせ先】人権・同和対策課(電話番号0942-30-9045、FAX番号0942-30-9703)

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