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農業の未来を開く(平成30年3月1日号)

広がる久留米の農産物

久留米は全国でも有数の農業生産地高品質で安全・安心な久留米の農産物が全国に広がっています

久留米市の農業産出額の品目別割合

  • 米麦大豆など46億円(14%)
  • 畜産物40億円(12%)
  • 植木苗木類など31億円(10%)

園芸作物

  • 野菜148億円(46%)
  • 花き37億円(11%)
  • 果物22億円(7%)

合計324億円

平成27年市町村別農業産出額(推計)野菜や花き、果物などの園芸作物は、全体の約6割を占めています

高収益で安定した園芸作物の栽培

県内トップの農業都市

 久留米は、筑後川と耳納連山に育まれた筑後平野に位置する、県内最大の農業都市。農業産出額は、320億円を超えています。 そのうちの約6割を野菜や花、果物などの園芸作物が占めています。温暖な気候を生かし、秋から春にかけて、レタスやキャベツ、ホウレンソウなどの露地野菜、農業用ハウスでは、小松菜やトマト、イチゴ、キュウリなどを生産。また、ブドウや柿、梨などの果物やシクラメン、洋ランなど、多種多様な園芸作物が作られています。

生産施設の整備を支援

 園芸作物は、米や麦などに比べ面積当たりで高い収益が得られます。そのため、新たに野菜などの生産を始めたり、規模を拡大したりする農家が多く、久留米の農業の大きな柱の一つとなっています。  しかし、露地栽培は天候によって収穫量が大きく増減します。安定した収益を確保するために、生産施設や機械の導入が必要です。  それらの導入費用の負担を軽減するため、市は、国や県の補助事業に上乗せして補助を行っています。例えば、ハウスなどの温室設備や苗の植え付け機などの省力機械の導入費用の一部を補助しています。

規模拡大や新規雇用も

 平成28年には、国が新たな補助制度を創設。補助件数は、それまでの4倍近くの117件にまで増加しました。補助を受けた農家は、3年程度で生産面積と出荷量が約1.2倍増。農業所得も増えるなど、効果が表れています。  農家の年間収入が増えて経営が安定すると、さらなる投資や規模拡大につなげることができます。園芸作物は、栽培や収穫に多くの労力が掛かるので、規模が拡大すると、新たな雇用も生まれます。  近年、久留米の農産物は、市場から高い評価を受けています。全国トップクラスの生産量を誇るリーフレタスやサラダ菜などに久留米の農産物の目印「キラリ 久留米」のロゴマークを貼付。市内だけでなく、東京・大阪・福岡などの大消費地へ出荷しています。また、全国の市場へ品質の高い農産物を安定して大量に供給することで、産地としてのさらなる信頼の向上につながっています。

海外へ販路拡大も

 日本の安全・安心で高品質な農産物は、海外からのニーズも高まっています。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、選手村などで出される食材は、生産工程の記録や労働安全、農薬の適正使用などの基準「GAP」の認証を受けた物が使われる予定です。  JAくるめサラダ菜部会は、29年2月に国際基準である「グローバルGAP」の認証を取得。海外への輸出など、さらなる販路拡大に向けた取り組みを進めています。  市は、農産物の生産振興を積極的に支援し、職業として選択できる魅力ある農業の実現に向け、取り組みを進めていきます。

【問い合わせ先】生産流通課(電話番号0942-30-9164、FAX番号0942-30-9717)

久留米のサラダ菜を世界へ

 部会員全員で「グローバルGAP」を取得し、日々、安全で安心な農産物の生産に精力的に取り組むJAくるめサラダ菜部会の池田仁さん(山川神代)に話を聞きました。

 品質を高め、販路拡大につなげるため「グローバルGAP」取得の検討を進めてきました。視察や勉強会を重ね、29年2月に部会員の農家13人全員で取得。部会の全員で取得するのは、全国でも珍しいケースのようです。  グローバルGAPは、作業や収穫の記録や管理、作業場の整理整頓から収穫に使うナイフの刃に至るまでたくさんの基準が決められています。手間や費用が掛かりましたが、認証取得に取り組んだ結果、従業員の安全への意識や作業効率が高まり、品質や安全性も確実に向上しています。  認証取得で、すぐに効果が出た訳ではありません。グローバルGAPは、認証取得したことをパッケージに表示することができないので、流通関係者や消費者の認知度がまだ高くないんです。でも、少しずつホテルや量販店などからの問い合わせや買い付けが増え、香港や台湾など海外からの商談も来ています。  久留米のサラダ菜は、色が濃く日持ちします。栄養価も高いので、久留米の皆さんにぜひ食べてもらいたいです。2020年には、東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。海外の選手にも、私たちが作ったサラダ菜を食べてもらい、久留米産野菜のおいしさと質の高さをアピールしたいです。オリンピックは通過点だと思っています。今後も継続して安全でおいしいサラダ菜の生産に取り組みます。

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