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第27回 じんけんの絆(平成30年2月15日号)

精神障害への理解を進めたい

精神障害のある人の地域での自立した生活や社会参加を支援するため、共同作業所の運営などを行う久留米精神障害者地域家族会。会長の光益靜子さんに聞きました。

周囲との壁

私も、精神障害のある子どもを持つ親です。家族会に入り、20年以上になります。その中で一番感じてきたのは、周囲との壁です。家族は、できるだけ周りに知られたくないという気持ちが強く、家族会の中でさえ、身内の状況をさらけ出すのは難しいんです。
共同作業所で訓練した後、社会に出ても、なじめずに戻ってきたり、病気が悪化したりすることも少なくありません。壁の高さを実感する瞬間です。

意識は変えられる

精神障害のある人が起こした事件がニュースになると、なんとも言えない不安に襲われます。精神障害のある人みんなが、怖いというイメージで見られるのではと思ってしまうのです。共同作業所に集まっている時にニュースが流れると、その場の空気が重くなります。
熊本地震の時、周りの目を気にして避難所に行けず、傾いた自宅で何日も過ごしたという話も聞きました。人の目がとても気になってしまうのが、精神障害のある人の特性の一つなのです。
一方で、精神科の病院に通うことも、世間からは特別視されます。精神障害のある人が、人の目を気にしなければならない社会で感じる生きづらさは、大きなものです。でも、そんな精神障害への見方は、もともと人の意識がつくり出したもの。きっと変えることはできると思います。

理解を進めるために

精神障害に対する社会の理解が進むには、小さい頃からの教育が大切です。誤った情報や不確かな知識に触れて偏見が染み付く前に、正しい認識を身に付ける。そうすることで、子どもたちが大きくなった時、精神障害のある人と普通に暮らせる社会になっていると思うんです。
また、「接する」ことも大切。私たちが地域の行事に参加したり、逆に地域住民の皆さんに共同作業所に来てもらったりして、交流しています。時間はかかりますが、社会の理解を進めるために必要な取り組みだと思っています。

【問い合わせ先】障害者福祉課(電話番号0942-30-9035、FAX番号0942-30-9752)

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