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住み良いまち つくるのは 私たち(平成30年2月15日号)

市内各所で、さまざまな団体がまちへの思いの実現や地域課題の解決のために活動しています。
久留米市は、住み良いまちをつくる活動を応援する「キラリ輝く市民活動活性化補助金」を準備。補助金を活用している3団体の取り組みを紹介します。

草野食育推進クラブ 誰もが気軽に集まれる場所に

草野町の山辺道文化館で「くさの木春食堂」を運営する草野食育推進クラブ ボランティアで、食を通じた地域の活性化や観光振興に取り組んでいます

毎週木曜に開店

草野食育推進クラブは、山辺道文化館で毎週木曜日の昼に「くさの木春食堂」を開いています。働いているのは、27人の地元のボランティア。1日35食に限定し、地元産の食材を使って心を込めた料理を提供しています。

手作りの食堂

同クラブ会長の井上慶子さんは、オープンのきっかけや経過などを次のように話します。
「食堂を開いている山辺道文化館は、大正時代に建てられた木造2階建ての洋館で、以前は病院でした。今では、町の観光拠点として使われています。数年前に喫茶店が撤退して以降、観光スポットなのに食事する場所が無い状態が続いていました。そんな中、草野校区まちづくり振興会から、喫茶店の跡を使って、何かにぎわいづくりができないかと相談を受けました。栄養士として働いた経験があったので、地域食堂を始めることにしたんです。
当初は、鍋や食器類などを、ボランティアが持ち寄ったり、コミュニティセンターから借りてきたりしていました。キラリ補助金を使い、調理器具や食器を消毒する器具がそろい、安心して食事を提供できるようになりました。また、前日の準備がいらなくなり、メンバーの負担も減ったんですよ。活動も軌道に乗ってきたので、来年にはキラリ補助金を卒業できればいいなと考えています」。

地域の交流の場にも

木春食堂は、地元の人もよく利用しています。草野町は、高齢化率が37%で、中には、自分で料理ができないお年寄りも居ます。
「そのような人たちに健康的な食事をして欲しいと、化学調味料を使わず、塩分控えめの献立を考えています。病院に通っているお客さんが、主治医の先生に料理の写真を見せたら、ほめてもらえたそうです」と話します。
食べ終わった後、翌週の予約をして帰る人も居ます。
「将来は、外に出られない人へ、健康に良い料理を宅配できればいいなと考えています」と話します。

活性化につなげたい

井上さんに、今後を尋ねると「草野町は、歴史的町並みやおいしい野菜、果物など魅力がたくさんです。それを地元以外の人にも知ってもらいたいです。木春食堂をきっかけに、たくさんの人が、草野町に興味を持ち、来てもらうことで、まちの活性化につながればと思っています」と笑顔で話しました。

津福校区自主防災会 災害に備え 私たちができること

校区の防災活動に取り組む津福校区自主防災会は、防災マップの作成や避難所設営訓練など、災害に備えた活動を進めています

校区住民の安全を守る

津福校区自主防災会は、災害が起きたときに、校区住民が適切に対応できるよう、一人ひとりの防災意識の向上に取り組んでいます。
会長の角栄子さんは「この校区は、洪水などの水害があまり無かったからか、住民の災害への意識は高くなかったんです」と言います。
熊本地震を経験したことをきっかけに、自主防災会が中心となって防災への取り組みを進めていくことが必要だと痛感。さまざまな取り組みを始めました。

迅速な避難所設営へ

「私たちの主な活動は、住民の防災意識を高め、災害への備えを促すことです。校区の運動会でバケツリレーなどを種目に取り入れたり、防災ブースを設置したりしています。また、実際に避難経路を歩いて危険箇所を確認し、校区防災マップも作成しました」と話します。
特に力を入れているのが、避難所設営訓練。「大きな地震を想定し、市職員や小学校の先生と一緒に、避難所のレイアウトを考えました。本番と同じ体育館で、実際に仕切って居住スペースを確保。簡易トイレや授乳室、ペット飼育所などの場所をみんなで話しながら決めました。この訓練を基に、避難所運営マニュアルを作成。校区役員の誰がリーダーになっても、避難所の開設や運営がうまくできることを目指しています」と話します。

自治会単位の訓練も

キラリ補助金は、防災訓練にかかった費用の一部や防災マップの作成に協力してもらった大学生への交通費などに活用しました。
「校区の予算は限られています。補助が無ければ、このような活動自体できませんでした。キラリ補助金をきっかけに活動の幅が広がり、若い世代も関わるようになったんですよ。今後は、自治会単位の防災訓練や救急救命講習をさらに広げ、意識啓発を進めていきたいです」と将来の展望を話しました。

HAPPY M STYLE 子どもの誕生を喜べる社会に

妊娠期の女性の不安や悩みの解消のために活動する「HAPPY M STYLE」。地域全体で子どもの誕生を支える社会づくりに向けて取り組んでいます

男性に知って欲しい

女性や母親の趣味や特技を生かした活動を支援する団体「メリコア」から派生した「HAPPY M STYLE」。
Mは、MATANITYの他に、男性のMANの意味も含んでいます。「妊娠期に関する事を、男性にも知ってもらいたい。そんな思いで取り組んでいます」と、代表の牛島敦子さんは話します。
活動の原点は、メリコアが行ったマタニティの調査結果でした。「『初産の不安や悩みが、解消されないまま出産を迎えている』『夫は職場の協力を得られにくい』。これらの課題を解決するために何かできないかと思い、この団体を立ち上げ、活動を始めたんです」。

職場の協力が必要

牛島さんは、妻が妊娠していても、男性は職場の協力を得にくい現状があると言います。
「ある会社では、出産予定日の3日前に出張を命じられたケースもあったそうです。そんな命令が出るのは、妊娠や妊婦のことをよく知らないからだと思います」。
多くの人が学ぶ機会が必要と感じ、3月に地元企業と共催でイベント開催を予定。ターゲットを男性にして、家族で参加しやすいよう、いろんな工夫をしています。
妊婦体験やパパ座談会など、男性が体験できるコーナーをたくさん準備。「どうしたら男性に来てもらえるかを考え、インパクトのあるチラシも作りました」と牛島さんは話します。

10年後の上司を育てる

イベントのチラシ作成などPR費用にキラリ補助金を活用。
「目標は、子どもの誕生をみんなで喜べる社会にすること。今後は、地元企業向けの研修などもやりたいです。10年後、家族に妊婦が居る人に『仕事は自分たちに任せて、早く帰りなさい』と言える上司や同僚を育てたいです」と話します。

活動を下支え

市民活動サポートセンターみんくる

新たなまちづくりの担い手として市民活動団体が注目されています。
「団体の皆さんの原動力は、自分たちのまちをもっと良くしたいという思いです」と話すのは、市民活動サポートセンターみんくる副センター長の松尾有夏さんです。
「市民活動団体は、行政よりも自由度や柔軟性があります。団体の活動が、これからのまちづくりには欠かせないと思います」と話します。
みんくるは、市民活動を行う人たちのための施設です。活動の相談や支援、情報提供の他、情報誌の作成の仕方などのさまざまな講座を開いています。
その他、ボランティアなどの市民活動を始めたいと思う人と団体をつなぐ役割も果たしています。

キラリ輝く市民活動活性化補助金

「キラリ輝く市民活動活性化補助金」は、思いやり活動や安全安心の取り組み、まちのにぎわいづくりなどが対象です。
講演会などの講師謝金やチラシの印刷、会場使用料などの必要な経費に対して、30万円を上限に補助。市と協働して取り組む活動は、上限100万円です。その他、学生の活動や短期間の活動向けの枠もあります。
申請方法など詳しい内容は、市ホームページで確認、もしくは、問い合わせ先に連絡してください。

【問い合わせ先】協働推進課(電話番号0942-30-9064、FAX番号0942-30-9706)

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