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久留米市美術館 とき・ひと・美をむすぶ(平成30年1月15日号)

市美術館のイベントや所蔵作品を紹介します。

東郷の「線」を見る

10頭身はあろうかというプロポーション、それぞれに色の異なる星など、「星座の女」の見どころはたくさんありますが、女性の手の「線」に注目してみましょう。
よく観察すると、所々に黒色の鋭い輪郭線が見えてきます。 東郷は、「美術手帖」の1950年5月号で自らの制作過程を明かしています。
それによると、地塗りしたカンバスの上に粉白粉などで滑り止めをして、4Bか5Bの柔らかい鉛筆で軽く図取りを行い、大体が出来上がったら、硬い2Hの鉛筆で決定的な線を引いた、といいます。
女性の手に残る細く鋭い輪郭線は、おそらくこの2Hで描かれたものでしょう。
これは鉛筆による描線の一例ですが、東郷作品には色々な「線」が登場します。ぜひ会場で探してみてください。【学芸員:森智志】

【問い合わせ先】市美術館(電話番号0942-39-1131、FAX番組0942-39-3134)

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